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フィンランドは教師の育て方がすごい

著:福田 誠治

紙版

内容紹介

テストもないのに子どもたちが勉強する国。教師が専門職として人気も倍率も高く、国民に尊敬される国。そして、PISA(学習到達度調査)でつねにトップクラスの国。「揺るがぬ教育理念」と「徹底した実践主義」を検証する。

目次

はじめに 足に靴を合わせるように、子どもに学校を合わせる

第1章 フィンランドの教師の一日
1 労働時間/2 学校で何をしているのか/3 授業前後/4 補習の種類/5 学校を出てから帰宅まで/6 帰宅後および休暇/7 学年歴/8 教師の福利/9 教師のゆとりは子どもに返っていく/10 専門家として育てる/11 現場に全権限を/12 教える教育から支援する教育へ/13 自己評価

第2章 フィンランドの教育の特徴とは
1 なぜフィンランドは学力世界トップクラスなのか/2 フィンランドの教育のどこに注目すべきなのか/3 教師の優秀さ/4 教師の仕事の中身/5 教師を信頼する社会と教師を生かし切る行政

第3章 カリキュラムが変わる、教育学が変わる
1 フィンランドにおける総合制学校の確立/2 フィンランドの教師養成とカリキュラムの歴史/3 カリキュラムの歴史と教師の役割の変化/4 新自由主義の流入/5 一九九四年『国家カリキュラム』/6 カリキュラムの影響と評価/7 新カリキュラムの根底には構成主義/8 社会構成主義/9 教師も生徒も学習する/10 学力段階のブレイクスルーとカリキュラム改革の教育学的な意味/11 一人ひとりの子どもに対応する教師養成/12 平等概念の解釈変更/13 小規模学校こそ大切に/14 パラダイム転換とは何だったのか/15 フィンランドの教育現場はどれだけ変わったか/16 一九九〇年代の教育行政改革の影響/17 最近の教育改革/18 「探求型」教師養成の展望/19 学校評価/20 ボローニャ・プロセス──教師養成の展望とグローバリズム

第4章 探求的教師とは──フィンランドの教師養成制度
1 トゥルク大学にて/2 マルック・ハンヌラ教授からの聞き取り/3 トゥオモ・マキマウヌス君からの聞き取り/4 トゥルク教師養成専門実習校校長から/5 カイヤ・コルホネンさんの教育実習/6 カイサ・ヴェクストロームさんの教育実習/7 イナ・ラウリラさんの教育実習/8 教師は何ができるか──授業への関わり方/9 銃乱射事件への対応

第5章 OECDとEUの教育観の転換
1 北欧型教育の形成期/2 北欧型教育の発展期/3 北欧モデル対アングロサクソン・モデル/4 フィンランドとOECD、新自由主義/5 WTOとGATS/6 EUの教育方針の確立/7 OECDとDeSeCo──義務教育の学力をすり合わせる/8 社会も教室も異質な者の集まり/9 EUの知識観が変わる──知はオープンなもの/10 DeCeCo計画とPISA──考える力こそを/11 ロバート・パットナムと社会資本/12 社会資本とPISA型学力/13 日本の逆流──「低学力」批判という名の構成主義否定/14 テストのための教育は時代遅れで非効率

おわりに
注釈
フィンランド国家教育委員会『総合制学校カリキュラム大綱』(1994年)


著者略歴

著:福田 誠治
1950年、岐阜県生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。現在、都留文科大学文学部比較文化学科教授。主な著書に『格差をなくせば子どもの学力は伸びる』(亜紀書房)『競争しても学力行き止まり』『競争やめたら学力世界一』(ともに朝日新聞社)『子どもたちに「未来の学力」を』(東海教育研究所)『人間形成からみた比較文化』(九山社)、共著に『記憶の比較文化論』(柏書房)『世界の外国人学校』(東信堂)などがある。

ISBN:9784750509037
出版社:亜紀書房
判型:4-6
ページ数:280ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2009年03月
発売日:2009年03月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNB