はじめに
本書の構成
第Ⅰ部 移動する子どもの母語・継承語教育をとりまく現状
第1章 トランスリンガリズムの視点から考えるコミュニティ・ランゲージの可能性[尾辻恵美]
1.はじめに
2.「継承語」にまつわる3つの神話
3.マルチリンガリズム、トランスリンガリズム、メトロリンガリズム
4.「ちょっと性」
5.継承語からコミュニティ・ランゲージへ
6.おわりに
第2章 「ちょっと性」と「ちゃんと性」の狭間で――移動する子どもの継承語を考える[坂本光代]
1.はじめに
2.継承語:原始主義的対脱近代主義的イデオロギー
3.「ちょっと性」と「ちゃんと性」
4.教育への示唆
5.「ちょっと性」と「ちゃんと性」のバランスを目指して
6.おわりに
第Ⅱ部 多様なアクターによる母語・継承語教育の取り組み
第3章 ベトナム政府による在外ベトナム人の子どものための母語教育の取り組み[ディク・ムク・ダオ]
1.はじめに
2.ベトナム政府の取り組み
3.在外ベトナム人の子どものための母語教育の事例
4.おわりに
第4章 ネパール国外におけるネパール語教育とカナダにおける継承語教育[マーク・トゥリン]
1.はじめに
2.言語と移住
3.ネパール語とネパール移民
4.大学におけるネパール語教育とその変化
5.在外ネパール人コミュニティによるネパール語教室
6.カナダにおける継承語
7.おわりに
第5章 日本における母語教育の課題――断絶と偏在の歴史の中で[榎井縁]
1.大阪で注目される母語教育
2.高校入試における外国人生徒等への措置・枠の全国調査
3.大阪で取られてきた特別措置・特別枠
4.枠校共通の特徴
5.母語教育に関する歴史的経緯
6.大阪での民族教育(外国人教育)の展開
7.課題と考察
第Ⅲ部 日本における母語・継承語教育の実践と課題
第6章 ポルトガル語教室で母語・継承語を学ぶ意義[安富祖樹里]
1.自己紹介
2.団体の概要
3.母語教室に参加している子どもたちの変化と教室の課題
4.母語・継承語を学ぶ意義
5.外国につながる子どもたちの可能性
第7章 ビルマ語教室の実践[チョウチョウソー]
1.はじめに
2.教室をはじめた動機
3.教室で学ぶ子どもたち
4.おわりに
第8章 在日ネパール人の子どもたちのための母語教育支援[プリタム・ラマ・ゴレ]
1.自己紹介
2.兵庫県立芦屋国際中等教育学校
3.セワ・インターナショナル・スクール
4.在日ネパール人の子どもたちが抱える様々な困難
5.活動の成果
6.課題と自治体への期待
第9章 外国人児童生徒等に対する教育の動向[中野理美]
1.はじめに
2.外国人児童生徒等の教育の現状
3.国の政策
4.おわりに
第10章 映画『はざま――母語のための場をさがして』を撮りながら考えたこと[朴基浩]
1.はじめに
2.作品とその背景
3.「わたしをみつける」ために
4.再びやってきた「違和感」
5.「わたしをみつける」作業の再開
6.映画を撮る中で触れた「おなじ」と「ちがい」
7.いわば、私の2世や3世
8.映画上映とその後
9.おわりに
第11章 地球社会をつなぐ多言語図書館の挑戦[新田隆充]
1.「私たち」と「彼ら」
2.エスペラント図書館から多言語図書館へ
3.分散型多言語図書館の仕組み
4.活動の始まりと課題、そして「ひとりのための図書館」へ
5.ベトナム語学習会の発足
6.「A1を目指すこと」への決意――多文化共生への挑戦
7.自分が変われば、扉はひらく
8.学習のための情報交換の場として
9.福祉へのつなぎ
10.海外の図書館との連携
第Ⅳ部 子どもたちをとりまく現実と守られるべき権利
第12章 外国につながる子どもと若者の母語・母国語・継承語使用に関する調査から[安念真衣子/田中雅子]
1.はじめに
2.調査の背景
3.母語・母国語・継承語
4.調査の概要
5.回答者の属性
6.教育を受ける機会
7.母語・母国語・継承語を育む場所とそれらの使用状況
8.地域ごとの特徴
9.子ども・若者が目指す将来像
10.ルーツによる特徴――在日ネパール人の場合
11.考察
12.おわりに
第13章 親の移動が子どもの教育に与える影響[マン・バハドゥール・カトリ]
1.はじめに
2.ネパールの学校
3.親と離れて暮らす子ども
4.ネパールと日本の間の子どもの往来
5.おわりに
第14章 ネパール人コックの送り出し村の子ども[ビル・バハドゥール・ボハラ・チェットリ]
1.はじめに
2.私とその家族
3.バグルン郡ガルコット市
4.生徒の家族の移住傾向
5.親と離れて暮らす生徒の事例
6.おわりに
第15章 オンライン教室での母国語学習――在日ネパール人の子どもの経験から[プラディプ・タパ]
1.はじめに
2.現状
3.課題
4.おわりに
第16章 移民の子どもの母語・継承語教育の保障――国際規範から読み解くあるべき姿[平野裕二]
1.国際人権法とは
2.国際人権規約における母語・継承語教育の保障
3.子どもの権利条約と母語・継承語教育
4.その他の関連人権法文書
5.国連人権専門家とユネスコ
6.おわりに
おわりに
巻末資料