はじめに 複言語主義の過去から未来へ[西山教行]
Ⅰ イタリアにおける複言語主義の誕生と展開
第1章 言語(ラング)とは、わたしたちの言葉(パロール)のことだ――トゥッリオ・デ・マウロとソシュール、言語学から言語政策へ[ピエール・エスキュデ/粕谷祐己 訳]
1 序
2 「戦争です。つまり、戦争です」
3 ある表現の由来、ある天職の系譜
4 自伝的な言語
5 言語(ラング)とひとつの町の形
6 「交流する力」と「地元精神」が一緒になって
7 言語(ラング)に対する人間および社会の注視。言語(ラング)の政治的組織化
第2章 伝統と革新の両立――言語教育学における複言語教育と教員育成へのイタリア文化の寄与[マッダレーナ・デ・カルロ/近藤野里 訳]
1 はじめに:複言語・異文化間教育に向けて
2 継続の歩み:イタリアにおける民主的言語教育
3 変化の中心で行動する:教員育成
4 結論
第3章 イタリア・ミラノ市における複言語教育政策とその実践[西島順子]
1 はじめに
2 近年の複言語教育の概要
3 イタリアにおける複言語教育
4 ミラノ市の複言語教育
5 ミラノ市の小学校における複言語教育の実践
6 まとめ
Ⅱ 複言語教育の創造的アプローチ
第4章 複言語主義を巡る対話――複数性の理論化と言語の力[ダニエル・モーア/堀晋也・大山万容 訳]
1 複数性の理論化に関する小史
2 軌跡、出会い:考えがどのように生まれるか
3 家庭から学校へ:複言語主義と領域、レンズ、姿勢
4 実践と表現/表象
5 省察的な複言語の姿勢
6 違う場所、異なる言語間での概念の循環:共鳴のメカニズム
7 複言語主義と「トランスランゲージング」
8 複言語主義、「トランスランゲージング」、「言語意識」:アイデアの交差する場所
9 複言語による省察の対話:フランス語、英語、中国語の事例
10 複言語主義を巡る複言語による対話:複雑性の万華鏡に向けて
第5章 日本の小学校外国語教育における領域横断的複言語教育[北野ゆき]
1 序
2 小学校外国語学習と身体性
3 おわりに
第6章 (ポスト)コロニアルな複言語大学における文脈化と感性[エラティアナ・ラザフィマンディンビマナナ、ヴェロニック・フィロル/大山万容 訳]
1 はじめに
2 カナキー・ニューカレドニアにおける大学教育――感性的な場所
3 感性的(センシティブでセンシブル)な能力を示す観察対象
4 感性的な文脈化への姿勢と実践
5 結論:知を生み出す著者としての学生
Ⅲ 媒介としての翻訳の営為
第7章 文化越境を教えよう――南アフリカの大学におけるマダガスカルの短編を例として[ベルナール・ド・メイエール/原野葉子 訳]
1 はじめに
2 間文化的なるもの――人類学から文学へ
3 文化を越境するもの――文学から教育へ
4 作者――文化的混淆
5 いくつかのテーマ
6 結論
第8章 ベルギー・オランダ語現代文学における言語文化的特性の翻訳をめぐる課題[井内千紗]
1 はじめに
2 ベルギーの言語事情とオランダ語文学の関係
3 オランダ語文学におけるフランス語使用の事例
4 日本語翻訳をめぐる課題
5 おわりに
第9章 複言語映画を見ることから考えるウクライナ侵攻の文脈――エリ・グラップ『オルガの翼』を通して[梶山祐治・大山万容]
1 はじめに
2 エリ・グラップの複言語映画『オルガの翼』
3 『オルガの翼』を鑑賞した日本の学生の受け止め方
4 おわりに
第10章 レジスタンスとしての翻訳――アントワーヌ・メイエの『ヨーロッパの言語』をめぐる翻訳者の営為[西山教行]
1 はじめに
2 日本におけるメイエの受容
3 大野俊一とは誰か
4 『ヨーロッパの言語』のなかのドイツの表象
5 戦時下に翻訳された『ヨーロッパの言語』
6 結論
あとがき 複言語主義の誕生と展開[大山万容]
索引