はしがき
第1部 潮と風の歴史と社会
第1章 コロンブスはポルトガルで何を学んだのか――潮と風の秘密をめぐって[合田昌史]
1 西洋初の大航海はなぜ成功したのか?
2 アーチ型帰航路の成立とその応用
3 コロンブスの学習
4 西回りのアジア航海案をめぐって
第2章 近世のゴアおよびリスボンにおける日本人奴隷の状況[ルシオ・デ・ソウザ]
はじめに
1 ゴア
2 リスボン
おわりに
第3章 南米大陸北部の空間のナショナリズム――一七・一八世紀のアマゾン川の航行[住田育法]
はじめに
1 ポルトガルの「点と線」と「面」の開発
2 一七世紀のアマゾン川とポルトガル人
3 アマゾン空間の一八世紀の開発
4 南米北部の空間のナショナリズム
おわりに
第4章 ポルトガル海洋帝国におけるポンバル改革――「啓蒙」と「革命」の間で[疇谷憲洋]
はじめに
1 大西洋帝国の展開と改革思想
2 ポンパル改革の展開と海洋帝国の再編
おわりに
第5章 大西洋奴隷貿易とラテンアメリカ――一九世紀ブラジルを中心に[布留川正博]
はじめに
1 大西洋奴隷貿易の先駆者、ポルトガル
2 アシエント奴隷貿易
3 一九世紀ブラジルへの奴隷輸入とイギリスの禁圧政策
4 奴隷制プランテーションの拡大
5 外国の協力者
おわりに――国内奴隷貿易
第6章 一九世紀前半のメキシコ銀をめぐるグローバルヒストリー――『東航紀聞』に見られるメキシコへの日本人漂流民の記録を手掛かりに[牛島万]
はじめに
1 栄寿丸の日本人漂流と帰還
2 『東航紀聞』の中で述べられている銀に関する情報
3 一六世紀にはじまるスペイン領アメリカを中心とするグローバルヒストリー
4 一九世紀メキシコ銀を中心とするスペイン領アメリカとアジアのグローバルヒストリー
おわりに
第2部 潮と風の歴史の周辺
コラム① ヨーロッパ西域の民族移動のターミナル[住田育法・疇谷憲洋]
1 シルクロードの西のはて
2 ここで陸は終わり、海が始まっている
3 大西洋に向かってイギリスを選ぶ
4 石のいかだに乗って
コラム② 人食い言説を考える[冨田晃]
1 コロンブス、カリブ、カニバル
2 カニバリズムという差別用語
コラム③ 大海原を挟んで――グローバル時代を生きたマヤ王族とスペイン王国の関係性[大越翼]
コラム④ 新大陸の南北両古代文明圏に挟まれた中間領域における考古学の公共的役割と課題[南博史]
はじめに
1 中間領域の古代社会の解明に向けた考古学の取り組み
2 中間領域諸国における地域課題の解決に向けた考古学の公共的役割
3 コスタリカ太平洋側オサ半島の考古学学術調査とプロジェクト・リオティグレによる公共活動
まとめ
コラム⑤ 一九世紀日本人漂流民小史――帰国できた者、できなかった者[牛島万]
1 イギリス軍艦で地球を一周した漂流民
2 ホーン岬を通過した米捕鯨船に乗った漂流民
3 米国市民権を取得したジョセフ彦
結び
「潮と風」と帆船の歴史年表
事項索引
人名索引
編著者・執筆者紹介