序章
第1節 はじめに
1.本書の背景
2.本書の目的
第2節 本書の視点と方法
1.視点と研究課題
2.研究方法
3.時期区分について
4.用いる史資料
5.用語の定義
6.地域の広域連合について
7.倫理的配慮
第3節 研究の枠組みと構成
1.研究の視点
2.研究課題
3.本書の構成
第1章 先行研究の到達点と課題
第1節 セツルメントの系譜と学生セツルメントの位置づけ
1.欧米におけるセツルメントの展開
2.日本におけるセツルメントの系譜
3.東京帝大セツルメントから戦後学生セツルメントへの系譜と思想
4.戦後学生セツルメントの定義
第2節 戦前のセツルメントに関する先行研究の概観
1.大林宗嗣によるセツルメント研究
2.大学セツルメントの誕生
3.大学セツルメントの思想と特徴
4.戦前と戦後の共通点と相違点――先行研究からの論点
第3節 戦後の主なセツルメント研究の概観と変遷
1.戦後-1960年代
2.1960年代後半-1980年代
3.1990年代-現在
4.学生セツルメントをめぐる研究の変遷から――到達点と課題
5.課題別の先行研究の概観と論点
第4節 小括
第2章 学生セツルメントの再興期(1945-1955年)
第1節 日本の社会状況と社会福祉の動向
1.日本社会の状況と戦後社会事業改革の原点
2.社会福祉をめぐる動向と制度・政策にみる保護的・救貧的特徴
3.組織化と社会運動
第2節 全国における学生セツルメントの再興期
1.東京大学セツルメントの発足――組織化への萌芽としての東大セツルメント
2.全国セツルメント連合の結成(1954-1955年)
第3節 各地域における学生セツルメントの誕生
1.東京および関東におけるセツルメントの活動と組織化
2.関西における学生セツルメントの成立
3.再興期における戦前との連続性――教員・OS とのつながりから
第4節 小括
1.再興期における学生セツルメントの展開
2.学生セツルメントの再興期における社会福祉運動との関係性
第3章 学生セツルメントの組織構築期(1956-1966年)
第1節 社会状況と社会福祉の動向
1.社会状況と国民生活――高度経済成長と国民生活の変化
2.社会福祉六法体制とその他の法整備
3.社会運動・学生運動の高揚
4.本期における社会福祉の特徴
第2節 全国における学生セツルメントの展開――方針に着目して
1.全セツ連の方針と議論
2.方針の背景と影響
第3節 各地域における学生セツルメントの組織化と展開
1.関東セツルメント連合の動向と組織の実際
2.関西におけるセツルメントの組織化――関西セツルメント連合の結成
第4節 単一のセツルメントにおける実践――地域活動を着実に行ってきたセツルとは
1.関西における地域実践――東住吉セツルメントの勉強会
2.関東における地域実践――若者会・若者パートの実践から
3.その他の地域での実践
第5節 小括
1.組織構築期における学生セツルメントの展開
2.60テーゼまでの動向と社会福祉運動との関係性
第4章 学生セツルメントの組織転回期(1967-1973年)
第1節 社会状況と社会福祉の動向
1.国民生活と革新自治体の誕生、大学をめぐる変化
2.社会福祉をめぐる動向――地域福祉・ボランティアへの注目
3.社会運動の展開――住民の参加と学生運動の衰退
第2節 全国における学生セツルメントの動向――全セツ連の方針転換
1.安保闘争前夜――1968-1969年を中心に
2.1970-1973年にみられる方針転換――60テーゼ以降の継承
3.方針転換と組織構造
第3節 各地域における連合組織の展開――大阪と愛知を中心に
1.各地の連合組織の活発化
2.関西セツルメント連合から大阪府学生セツルメント連合へ
3.愛知県における連合結成
第4節 単一のセツルメントにおける実践
1.阪セツ連所属セツルメントの実践――人間形成・地域との連携の視点から
2.愛セツ連所属セツルメントにおける実践――ヤジエセツルメント青年会の実践
3.各地の本期における実践
第5節 小括
1.組織転回期における学生セツルメントの動向
2.本期の実践にみられる特徴と変化
第5章 学生セツルメントの組織変容期(1974-1989年)
第1節 社会状況と社会福祉の動向
1.社会状況――日本経済の国際化と臨調行革路線
2.社会福祉をめぐる動向
3.社会運動の動向――新たな社会運動の展開
第2節 全国における学生セツルメントの動向――全セツ連の機能停止へ
1.全セツ連の拡大と衰退――加盟セツルメントの変遷から
2.1970年代後半における全セツ連の動向
3.1980年代の全セツ連大会における議論と方針――全セツ連の機能停止
4.全セツ連の機能停止の背景
第3節 各地域の連合組織の動向――全セツ連との関係
1.阪セツ連の動向――加盟セツルメントの変遷と議論および特徴
2.愛セツ連の動向――加盟セツルメントの変遷と本期の特徴
第4節 単一のセツルメントにおける実践
1.関西における学生セツルメントの実践――障害児者パートの実践と学生をめぐる状況
2.愛知における学生セツルメントの実践――本期の社会調査の実践から
3.各地の学生セツルメントの実践――追廻セツルメント老人パートの実践から
第5節 小括
第6章 1990年-現在
第1節 社会状況と社会福祉の動向――1990年代を中心として
1.バブル崩壊と新自由主義傾向の進展
2.1990年代の社会福祉をめぐる動向――分野別の拡充と社会福祉基礎構造改革
3.地域福祉をめぐる動向と社会福祉養成教育
4.社会運動・社会福祉運動をめぐる動向――非営利・協同の広がり
5.「共生」概念と地域共生社会
第2節 全国の学生セツルメントの動向――機能停止宣言後の全国集会と変遷
1.機能停止宣言後の全国のつながりの模索
2.1990年以降における全国のセツルメントの動向
3.1990年代における実践の動向と特徴
第3節 近年まで活動を続けていたセツルメント――弥次衛セツルメントを例として
1.伝統的な活動の継承と模索(1)――地域との関わりと調査活動、情宣活動
2.伝統的な活動の継承と模索(2)――組織構造と行事、学習会
3.弥次衛セツルメントにみる継承とその課題
第4節 現在も活動を続けるセツルメント――大阪府立大学セツルメントを例として
1.地域実践を離れた大阪府立大学セツルメントの実践とその経緯
2.大阪府立大学セツルメントにおけるあり方をめぐる葛藤と悩み――「セツルメントといえるのか」という疑問
3.大阪府立大学セツルメントにおけるあり方の模索と取り組み
第5節 小括
1.「1990年-現在」における動向と現状
2.本期における学生セツルメントの特徴
終章
第1節 本書の総括
1.学生セツルメントの展開
2.学生セツルメントの展開の整理
3.学生セツルメントの変化
4.学生セツルメントにおける人間形成・自己教育の役割
第2節 総合考察
1.学生セツルメントの再興期(1945-1955年)
2.学生セツルメントの組織構築期(1956-1966年)
3.学生セツルメントの組織転回期(1967-1973年)
4.学生セツルメントの組織変容期(1974-1989年)
5.1990年-現在
第3節 結論
1.学生セツルメントの歴史的意義と役割
2.学生セツルメントの課題
3.未来への展望
4.本書の意義と課題
5.おわりに――学生セツルメントの歴史と未来
資料
資料1 セツルメントの発祥と全国のセツルメントに関する略年表
資料2 地域の広域セツルメント連合結成時期に関する略年表(関東・関西・愛知を中心に)
あとがき
初出一覧
参考文献
索引