はじめに[佐藤慎司・稲垣みどり]
第1章 教育にとって「言葉」とは何か?[苫野一徳]
はじめに
1 教育とは何か?
2 「言葉」とは何か
3 教育にとって言葉とは何か
第2章 未来を創ることばの教育と〈自由の相互承認〉――ことばの教育において〈自由の相互承認〉という土台を作るために[佐藤慎司]
1 はじめに
2 コミュニケーションとは?
3 言葉・ことば・言語とは?
4 クリティカルアプローチとことばの教育
5 むすび――未来を創ることばの教育と〈自由の相互承認〉
第3章 他者との言葉における「確かなもの」について――対話思想およびW・ベンヤミンの初期言語論を手がかりとして[川本健二]
1 はじめに
2 対話での他者との言葉
3 他者との言葉と自らの存在性――ベンヤミンの神学的言語論
4 おわりに
第4章 言語を主体に戻す教育の場――「理解する主体」を育てる日本語授業の実践[守時なぎさ]
1 はじめに
2 「言語」について考えたいこと
3 「住みやすい国コーパス」を用いた理解活動
4 表現する主体と理解する主体による活動
5 「ことばの教育の力」――日本語教育の現場から
第5章 言語を使ったコミュニケーションにおける不公平さ[山崎直樹]
1 はじめに
2 異言語間コミュニケーションにおける方略
3 たとえ「同じ言語」であっても
4 言語能力の評価における不公平
5 言語に関わるさまざまな不公平
6 不公平さを解消するために
7 おわりに
第6章 オランダでの日本語教師人生を振り返って――現象学的教育学者「ヴァン・マーネン」のペダゴジー等から学ぶ[井上富美子]
1 はじめに
2 日本語教師になったきっかけと四〇年の教師歴
3 教師としての自身の変容
4 ロッテルダム応用大学
5 気づき、その一「優秀な教師ならではの落とし穴」
6 気づき、その二「教師の期待と成果の関係」――ピグマリオン効果・ゴーレム効果・自己効力感・ステレオタイプ脅威
7 気づき、その三「エンパワメント」
8 教育の機会均等
9 最後に
第7章 現象学的言語本質論に根ざした言葉の教育の実践――リベラルアーツ教育における「本質観取」の対話実践の報告[稲垣みどり]
1 はじめに
2 実践の背景
3 哲学対話としての言語教育における本質観取の実践
4 おわりに
第8章 教室を自由の相互承認を育てる場にするために必要なこと――重要なのは学習者を信頼すること[若井誠二]
1 教室で自由の相互承認を育てる難しさ
2 教室で自由の相互保障を妨げるもの
3 教室を自由の相互承認を育てる場にする方法
4 高校の日本語クラスでの取り組み
5 重要なのは学習者を信頼すること
第9章 教育哲学と教育原理に基づく英語教育――詩的機能が織りなすことばの世界[綾部保志]
1 「英語教育」という社会体制
2 なぜ、教育哲学と教育原理なのか
3 「再帰性」とは何か
4 英語教育施策の迷走
5 複眼的なまなざし
6 学校知と学び方の習得
7 紡ぎ出される詩的テクスト
8 実践の限界性と可能性
第10章 社会の隣人とつながり、共に生きる力を育む――高校生を対象とした隣語教育の実践[澤邉裕子]
1 「隣国のことば」と「隣語」
2 日本の高等学校における韓国・朝鮮語の教育の歴史
3 実践例――日韓の高校生間における交流学習
4 「隣国のことば」が「隣語」になるとき
5 社会の隣人とつながり、共に生きる力を育むことばの教育へ
第11章 自分のことばを持つための教師教育――「ことばの教育」に携わる教師自身のことばを育む[奥村三菜子]
1 ことばという厄介者と向き合う言語教師
2 自分のことばを見つめ直すための教師の学び
3 ことばの学びの場における教師の役割
4 ことばの教師を育むために大切なこと
5 ことばという厄介者を愛おしむ――「ことばの教育の力」とは?
おわりに[苫野一徳]
編著者紹介