はじめに
第1章 児童中心主義――義務教育を概観する
1 子どもが幸せに育つ平和な社会
2 学校に通うのは子どもの権利――スウェーデンの義務教育
(1)1日の流れ
(2)1クラスの子どもと教師の数
(3)義務教育制度
(4)学びの軌跡「ポートフォリオ」
(5)二項対立を超えた学校という「場」――子どもという存在、その主体性を尊重する
コラム1 学校で働く人、校長先生は4番目?
コラム2 多少の雨や雪はへっちゃら!――傘の代わりのヤッカと乾燥室
第2章 自由・柔軟
1 「時間割」と教師の裁量
(1)黒板に書かれるその日の「時間割」
(2)黒板の時間割のその後
2 学習材
(1)教科名と一致しない学習材
(2)教科書検定制度がある国とない国
3 スクールランチ(学校給食)
(1)無償のランチ
(2)ビュッフェスタイルのスクールランチ
(3)給食時の忘れられない出来事――恥ずかしいのは彼の行動、先生じゃない
コラム3 ノートが大切!――世界に一つの手作り学習材
第3章 ゆとり・文化
1 FIKA(フィーカ)
(1)午前と午後のコーヒーブレイク
(2)ゆとりと対話を!
(3)宿題のない夏休み
2 森の恵みはみんなのもの――「自然享受権」
3 サウナから考える――身体、まなざし、人のつながり
4 スウェーデンのお盆「アールヘルゴナヘリエン」(Allhelgonahelgen)
コラム4 10月4日はシナモンロールの日
コラム5 秋を彩る「ストックホルム国際映画祭」
コラム6 死とさびしさ
第4章 休み時間/放課後、学習環境
1 休み時間/放課後
(1)休み時間
(2)放課後
2 学習環境
(1)机
(2)トイレ
コラム7 スウェーデンの学校に部活動はない
コラム8 待機児童が解消されない日本
第5章 マジョリティ、マイノリティ――「同質性」と「異質性」
1 低学年の「共生」のカリキュラム
(1)マジョリティ・グループに入りたい?
(2)同じだけど違う、違うけど同じ
2 中・高学年の「共生」のカリキュラム
(1)そもそもスウェーデン人って?――7年生(中学2年生)の授業
(2)ラーロプランの背景
コラム9 低学年には難しい?――子どもを侮ってはいけない!
コラム10 「健康冒険センター」――ゴットフリッズソンとの出会い
第6章 権利と参加、そして尊重
1 子どもの知る権利と参加――どうして子どもだけ学校に行くの?
2 子どもの参加が学びを変える
(1)「性の多様性」理解のための活動予算
(2)高校生の声が性教育の内容を変えた!
3 差別撤廃を目指して――障害は環境によってつくられる
(1)誰一人取り残さない
(2)可聴者のための手話
(3)「男女平等」から「性の多様性と人権」、そして「アイデンティティ」の尊重へ
4 制度は整った、ここからは学校、授業への浸透
(1)実態調査――情報の共有
(2)課題解決に向けて
5 子どもの参加の背景
(1)コーポラティズム(Corporatism)の政治形態――合意形成のプロセスと目的の共有
(2)合意形成を重視した教育改革
6 アストリッド・リンドグレーンからのメッセージ
コラム11 全ての子どもが喜びと共に迎えられるように――RFSU創立者エリーゼ・オッテセン-イェンセン
コラム12 ピッピの母「アストリッド・リンドグレーン」
第7章 民主主義・平等
1 わたしはわたし、あなたはあなた、ありのままの自分を生きる
2 民主主義と教育の主導価値
(1)基礎学校の民主主義の授業
(2)独裁制との対比で民主主義を学ぶ
3 全ての子どもは等しく尊い――ラーロプランの理念
(1)学校の価値基準
(2)多様性の尊重――全ての授業、学習材に多文化的観点を!
4 学校は安全で安心できる、楽しい場所
コラム13 デモクラシー――理論と実践
コラム14 子どもたちは学び、歌う!――平和を願う歌
コラム15 脱準備教育!――大学進学、受験の違い
第8章 葛藤、そして未来
1 自由と管理のバランス――格差をどう乗り越えるか
(1)私たちは車を製造しているのではない、人を育てているのだ!
(2)2011年版の管理強化へ――1994年版で生じた学校間格差を乗り越えるために
(3)2011年版に対する教師たちの声
2 社会民主主義に入り込もうとする、新自由主義
(1)新自由主義の自己責任、競争原理の教育でいいはずはない
(2)スウェーデンに新自由主義の風
(3)「自律学校:フリースコーラ」をめぐる議論――学校運営で利益を出してはいけない
(4)二人の教育省の元大臣
コラム16 子どもと教師が対話しながら行う評価
コラム17 全ての子どもは等しく尊い
第9章 点描 コロナ禍とポストコロナの学校
1 コロナ禍の学校
(1)学校に通い続けた子どもたち
2 学校が閉鎖されなかったこと、本当に嬉しい!
(1)子どもの健康を守り育む学校保健組織
(2)スクールナースは最高の仕事!
3 ポストコロナの卒業式
(1)世界で一番素晴らしい職業
(2)学習成果の発表
おわりに