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ロシア正教古儀式派と国家

権力への対抗と共生

編著:伊賀上 菜穂
編著:阪本 秀昭

紙版

内容紹介

古儀式派の文化が対抗と共生の力学の中で如何に伝承され、また変容してきたのか、そして当事者である古儀式派教徒らが、「対抗」や「共生」により何を主張しようとするのかを明確にして、その歴史的・社会的動向を解析し、ロシアにおける国家と宗教、さらに人々との関係を考える。

目次

 ロシア正教古儀式派関連地図
 凡例

序[伊賀上菜穂]
1 古儀式派文献におけるロシアの統治者の形象(一七世紀教会改革以降)[アレクサンドル・ピーギン(中澤敦夫訳)]
2 古儀式派文化における聖歌[フロレンチーナ・パンチェンコ(中澤敦夫編・訳)]
3 ハクストハウゼンが出会った古儀式派の人たち――一八四〇年代前半[鈴木健夫]
4 一九世紀後半の古儀式派資本家による芸術メセナ[神竹喜重子]
5 「オポーニアの島々」における白水境――ウラル・コサックの日本への旅[エレーナ・ダニルコ(豊川浩一訳)]
6 日露戦争と古儀式派教徒――宗教寛容令以前のロシア帝国における兵士の信仰実践[伊賀上菜穂]
7 全ロシア古儀式派農民大会(一九〇六年二月)における土地問題に関する議論と大会決定の意義[阪本秀昭]
8 二〇世紀前半の中国アルタイ地方における古儀式派教徒の戦争参加[塚田力]
9 ロシア「在外同胞者移住促進国家プログラム」による古儀式派教徒の移住――ロシア極東地方南部を中心に[宮崎衣澄]
補章 ウクライナの古儀式派ゆかりの地ベーラヤ・クリニーツァを巡る角逐[阪本秀昭]
あとがき[阪本秀昭]

 索引
 編著者紹介/執筆者、翻訳者、翻訳編集者紹介

著者略歴

編著:伊賀上 菜穂
1969年生。博士(言語文化学)(大阪大学)。中央大学総合政策学部教授。専門は民族学、文化人類学、ロシア史。
主要業績に、『ロシアの結婚儀礼――家族、共同体、国家』(彩流社、2013年、単著)、「小説の中の白系ロシア人と日本人との結婚――『満洲国』の枠組みの中で」(新免康編著『ユーラシアにおける移動・交流と社会・文化変容』中央大学出版会、2021年)、「ロシア正教古儀式派教会の展開に見る『伝統』の利用――ロシア連邦ブリヤート共和国におけるセメイスキーの事例より」(佐々木史郎、渡邊日日編『ポスト社会主義以後のスラヴ・ユーラシア世界――比較民族誌的研究』風響社、2016年)など。
編著:阪本 秀昭
1948年生。博士(文学)(早稲田大学)。天理大学名誉教授。専門はロシア・シベリア近現代史。
主要業績に、『帝政末期シベリアの農村共同体――農村自治・労働・祝祭』(ミネルヴァ書房、1998年、単著)、『ロシアの祭り――民衆文化と政治権力』(東洋書店、2009年、単著)、『ロシア正教古儀式派の歴史と文化』(明石書店、2019年、共編著)、『満洲におけるロシア人の社会と生活――日本人との接触と交流』(ミネルヴァ書房、2013年、編著)など。

ISBN:9784750356945
出版社:明石書店
判型:A5
ページ数:386ページ
価格:6200円(本体)
発行年月日:2024年02月
発売日:2024年02月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRMB