序章 研究背景と研究目的
0.はじめに
1.研究背景
1-1.生活の質研究の概観
1-2.従来の生活を測定する指標の問題点
1-3.女性の貧困研究
1-4.未婚の女性非正規雇用者の労働状況
2.研究の視座と目的
2-1.本研究の視座
2-2.本研究の目的
2-3.本研究の構成
2-4.倫理的配慮
第1章 ケイパビリティ・アプローチ
1.アマルティア・センによるケイパビリティ・アプローチ
1-1.主流派経済学への批判
1-2.機能、ケイパビリティ
1-3.本研究におけるケイパビリティ、資源利用能力の扱い
1-4.ケイパビリティ・アプローチの概念図
1-5.自由を評価することの難しさ
1-6.センによる貧困概念
2.マーサ・ヌスバウムによるケイパビリティ・アプローチ
2-1.人間の中心的なケイパビリティのリスト
2-2.「ヌスバウムのリスト」の作成の背景
2-3.ケイパビリティの3つのレベル
2-4.ひとりひとりのケイパビリティの原理
3.ケイパビリティ・アプローチを応用した先行研究
3-1.多変量解析等を利用した価値ある重要な機能は何かを探る研究
3-2.特定の機能を使って実証的に課題を明らかにする研究
3-3.ケーススタディによって状態の複雑さを実証的文脈的に捉える研究
3-4.理論的な応用で、センの理論・考え方を用いた事象の分析
3-5.ケイパビリティ・アプローチの生活経営学への応用
3-6.ケイパビリティ・アプローチを用いた先行研究のまとめ
4.本研究の調査設計
第2章 生活に必要な機能は何か――ワークショップ調査結果1
1.調査方法
1-1.ブレーンストーミング
1-2.具体的な調査の手順
2.調査概要
3.分析方法
4.結果
4-1.生命
4-2.身体的健康
4-3.身体的保全
4-4.感覚・想像力・思考
4-5.感情
4-6.実践理性
4-7.連帯
4-8.自然との共生
4-9.遊び
4-10.環境のコントロール
4-11.情報収集
4-12.まとめ
5.分析結果の考察
5-1.リスト項目間の回答率の差異
5-2.情報収集に関する機能の重要性
6.調査方法の考察
6-1.ワークショップ調査の考察
6-2.「ヌスバウムのリスト」を用いたことへの考察
第3章 機能の達成状況、資源と資源利用能力――インタビュー調査結果1
1.調査方法
1-1.機能の必要性
1-2.機能の達成状況
1-3.生活資源と資源利用能力の有無や内容について
2.調査対象者
3.分析方法
4.結果
4-1.ケイパビリティ別の平均達成率
4-2.対象者別の達成率
4-3.生活に必要で、かつ、達成している(しうる)機能
4-4.生活に必要だが未達成の機能は何か
4-5.機能の達成に不足する資源
4-6.機能の達成に不足する資源利用能力
4-7.「感情」と「自然との共生」に関する機能の達成について
5.考察
5-1.分析結果の考察
5-2.調査方法への考察、課題点や反省点
第4章 適応的選好形成の検討――インタビュー調査結果2
1.適応的選好形成とケイパビリティ・アプローチ
2.本研究対象者に見られる適応的選好形成
3.分析方法
4.結果
4-1.嘆き悲しみ不満を言い続けない
4-2.状況を急激に変えようと望む動機を欠いている
4-3.根絶しえない逆境とうまく付き合う
4-4.小さな変化でもありがたく思う
4-5.不可能なことやありそうにないことを望まないようにする
4-6.まとめ
5.考察
5-1.結果の考察
5-2.研究方法の考察
第5章 生活に必要な機能の雇用形態別比較――ワークショップ調査結果2
1.調査概要
2.結果
2-1.生命
2-2.身体的健康
2-3.身体的保全
2-4.感覚・想像力・思考
2-5.感情
2-6.実践理性
2-7.連帯
2-8.自然との共生
2-9.遊び
2-10.環境のコントロール
2-11.情報収集
2-12.まとめ
3.考察
3-1.非正規雇用者の回答数の少なさと回答率のばらつきが意味すること
3-2.非正規雇用者が必要性を認識しづらい機能の特徴
3-3.機能の必要性を認識しづらいことの問題点
3-4.「ヌスバウムのリスト」の有効性
第6章 機能、資源と資源利用能力の雇用形態別比較――インタビュー調査結果3
1.調査概要
2.結果
2-1.対象者別の達成率の比較
2-2.「ヌスバウムのリスト」別の達成率の平均値の比較
2-3.生活に必要で、かつ、達成している(しうる)機能の比較
2-4.生活に必要だが達成できない機能の比較
2-5.機能達成に不足する資源の比較
2-6.資源利用能力
3.考察
3-1.達成率の比較から見えてきた生活の質の違い
3-2.機能達成に不足する資源の違い
3-3.機能達成に不足する資源利用能力の違い
3-4.達成している機能と達成しうる機能をまとめて分析したことについて
第7章 機能の達成可能性についての事例研究――インタビュー調査結果4
1.機能の達成可能性を捉えるために
2.分析方法
3.分析対象者
3-1.非正規雇用者 対象者Aの紹介
3-2.正規雇用者 対象者Vの紹介
3-3.対象者Aと対象者Vの属性比較
4.結果
4-1.「健康でいる」
4-2.「人間関係を維持・構築する」
4-3.「自尊心を持つ」
5.結果の考察
6.分析方法の考察
終章 総合考察
1.研究方法の考察
1-1.成果
1-2.課題点・限界点
2.研究結果の考察
2-1.未婚の女性非正規雇用者が必要とする機能の内容とその達成状況
2-2.資源と資源利用能力の不足
2-3.選択しようと思えば選択できる機能の達成可能性の雇用形態による違い
2-4.インプリケーション
3.生活経営学へのケイパビリティ・アプローチの応用の可能性
引用文献・参考文献リスト
添付資料
あとがき
索引