巻頭言
第Ⅰ部 子ども若者の権利とこども政策〈総論〉
第1章 こども基本法の意義――子どもの権利と最善の利益を実現するこども政策のために[末冨芳]
1 こども基本法成立の背景
2 こども基本法の意義
3 子どもの権利と最善の利益を実現するこども政策のために
Column こども家庭庁について[渡辺由美子]
第2章 日本で子どもの権利はどれほど知られ、守られているか――セーブ・ザ・チルドレンの調査からみえた現状と今後の展望[西崎萌]
1 子どもの権利条約に対する認識
2 教員の子どもの権利に対する認識
3 学校における子どもの権利の尊重
4 最近の日本における子どもの権利保障に向けた政府の動き
5 子どもたちの声
6 今後の展望
第3章 子どもの人権・権利を守る仕組み――国内外での子どもコミッショナー、オンブズパーソンの取り組み[野村武司]
1 子どもコミッショナー/子どもオンブズパーソン
2 国の子どもオンブズパーソン/オンブズパーソンの取り組み――アイルランドを例に
3 自治体の子どもの相談・救済機関
4 おわりにかえて――国の子どもコミッショナーはどうあるべきか
Column 国連・子どもの権利委員会[中村雅子]
第4章 子どもの権利を実現するということ――川崎市子ども夢パークと川崎市子どもの権利条例[西野博之・末冨芳]
1 「子どもといっしょに条例をつくる」「子どもといっしょに居場所をつくる」――川崎市子どもの権利条例と夢パーク
2 子どもの権利を実現するということ
第Ⅱ部 権利を基盤とした実践と政策の展開
第5章 守られる権利、愛される権利――子どもへの体罰禁止と親子を支える体制[高祖常子]
1 虐待防止の根本対策が先送りになっていた
2 世界で初めて体罰を禁止した国、スウェーデンを視察
3 児童虐待防止全国ネットワークとしての啓発活動
4 体罰を法的に禁止する必要性とは
5 体罰禁止、法改正までの道のり
6 日本も世界で59か国目の体罰全面禁止国に
7 体罰禁止や子どもの権利を、子どもにどう伝えていくか
8 親子を支える体制づくりは急務
第6章 子どもの声、子どもの力、子どもの最善の利益――虐待された子どものケアと新たなこども政策[山口有紗]
1 子ども虐待について、わかっていること
2 なぜ、子ども虐待対応が大切なのか
3 子ども虐待に影響を与えるもの
4 今からできること
5 新たなこども政策へ向けて
6 虐待防止政策と子どもの声、子どもの力
第7章 小児性暴力から子どもが守られる仕組み、日本版DBSへの展望――子どもたちの声を聴く[駒崎弘樹]
1 子どもへの性暴力の「発見」
2 子どもたちは、声をあげられない
3 被害を自覚できない子どもたち
4 当事者の声が、社会を動かし始めた
5 日本版DBSへの展望
第8章 子どもの権利を学び、実践する学校――「生きる教育」と子どもの権利[辻由起子]
1 はじまり――子どもの貧困・虐待の事後対策ではなく、根本解決に向けて
2 「生きる教育」の実践
3 人権を知る、人権を守る――「子どもの権利条約」の授業とともにすべての教科に人権意識を
4 子どもの日常の悩みを授業へ
5 義務教育で「子どもの権利」を学ぶ意義
6 文部科学省・生命(いのち)の安全教育
7 受援力を身につける
8 おわりに 子どもたちの幸せを願って――生野南小学校の教育、8年間の研修の歩みより
第9章 デジタル時代の子どもの権利と最善の利益[竹内和雄]
1 デジタル時代到来
2 デジタル時代の子どもたちに求められる権利
3 未来の子どもたちのために
第10章 子どもの心の声を聴く――社会的養育における子どもアドボカシー[川瀬信一]
1 声をあげることの難しさ
2 子どもアドボカシーとは
3 「子どもの声からはじめよう」の取り組み
4 今後の課題
第Ⅲ部 こども政策とこども基本法の展望
第11章 子ども若者の参画を流行で終わらせない――子ども議会・若者議会・まちづくり[土肥潤也]
1 子どもや若者の参画のこれまで
2 こども家庭庁内での子どもの意見表明に関する扱い
3 子ども若者の参画の全体像
4 子ども議会の歴史
5 子ども議会・若者議会の現状
6 子ども若者の参画政策のグランドデザインの整備を
Column 意見表明をする若者を日本に増やすには[渡邉すみれ]
第12章 こども基本法と教育政策[遠藤洋路]
1 児童の権利条約と教育政策
2 「こども」とは誰か?
3 国や地方公共団体の教育政策への影響
4 公立学校への影響
5 こども基本法の限界
おわりに[末冨芳]
資料