はじめに
第1章 絵心のはじめ
1.NPO法人の仕事をリタイアして
2.火事跡に油絵具が
2-1 フェミニズムに触れて
2-2 悔恨の情、しきり
2-3 独立美術会員の堀口千鶴雄画伯を訪ねる
3.京都精華大学での共同研究「ヨーロッパ・ヌード絵画に見る女性像」
3-1 女性学の教師として
3-2 ヌード絵画から女性の描かれ方を見つめる
3-3 このたび、迷いを突き破る
第2章 ヌード絵画から読み解く女性像
1.ルネッサンス期の女性の描かれ方
1-1 男性の解放と女性の従属
1-2 倒錯する聖女と魔女
2.魔女として描かれる女性たち
2-1 魔女が出現する時代背景
2-2 キリスト教の集団ヒステリーがつくりあげた『魔女に与える鉄槌』
2-3 魔女がキリスト教を再生させた
3.聖母マリア像
3-1 「母性の敗北」として描かれた聖母マリア
3-2 原罪の表象として描かれる「イブ」と「マグダラのマリア」
4.19世紀を中心とする近代のヌード絵画
4-1 神話から解放された「ヌード」と女性の位置づけ
4-2 「ヌード」絵画に見る女性の分断
4-3 職業モデルで「エロティシズム」を自在に描く時代
5.女の身体の破壊と20世紀のヌード絵画
5-1 ピカソの《アヴィニョンの娘たち》から始まった
5-2 ダダイズム(ニヒリズム)とシュルレアリスム(無意識)
5-3 「破壊され」「物化され」た裸体像の復元は?
第3章 フェミニズムがアートを変える
1.フェミニズム・アートの時代を迎えて
1-1 フェミニズム・アートとは
1-2 アメリカのフェミニズム運動
1-3 フェミニズム・アートのパイオニア
1-4 フェミニズム・アートによる地殻変動
1-5 フェミニズム・アートとアメリカ美術の発展
1-6 最近のピカソ事情
1-7 フェミニズム・アートとアメリカのNPO
2.日本のフェミニズム・アート運動
2-1 日本のフェミニズム運動
2-2 バックラッシュを超えて
2-3 フェミニズムによる美術史の見直し
2-4 SDGs「ジェンダー平等を実現しよう」
2-5 フェミニズム・アートと日本のNPO
2-6 日本のNPOの課題
3.表現する女性たち
3-1 自分を表現する――なぜ絵を描くのか、何を描くのか、どう描くのか
3-2 美とは何か
3-3 フェミニズム・アートの力
第4章 女性と「ベール」の文化史
1.タリバン復権、アフガン女性の今
2.イスラム教のべール
2-1 ベール
2-2 「女性に夜をとりもどせ!」運動
2-3 ハーレム(harem)
2-4 奴隷市場
2-5 『ハーレム――ヴェールに隠された世界』
2-6 オスマン帝国とハーレムの女性たち
2-7 イスラム以外にも広がったハーレム
3.キリスト教のベール
4.「ベール」は文化の問題か女性差別か
4-1 世界女性会議での一コマ
4-2 イランでのベール抗議運動
4-3 「北京会議行動綱領」を糧として
4-4 女性差別撤廃条約を解放のツールとして
5.グローバル時代のジェンダー論、フェミニズム運動論
5-1 女性差別撤廃・平等と女性の信教の自由
5-2 世界における「ベール」論争
6.最後に
7.最後の最後に――フェミニズムをみんなのものに
おわりに
参考文献
索引
フェミニズム・アクティビスト金谷千慧子のプロフィール