はじめに 岐路に立つマレーシア
マレーシア全図
〔巻頭資料1〕州別基本統計(2020年)
〔巻頭資料2〕マレーシア国民民族別人口と構成比の推移
〔巻頭資料3〕新経済政策(NEP)導入以降の開発政策と開発計画の展開および担当政権
略表記一覧
Ⅰ マレーシアの成り立ち
第1章 2種類の「2つの世界」――半島部世界とボルネオ島世界
第2章 地形上の特徴と小規模な国――労働力人口と社会変容
第3章 モンスーンと豊かな森――自然環境と植民地支配下での改変
第4章 港市国家マラッカ王国――マレーシアの起源の1つとして
【コラム1】満刺加王国と琉球王国
第5章 多民族社会の基盤の形成――イギリス領マラヤ、ボルネオ
第6章 警察機構の歴史――イギリス植民地統治期を中心に
第7章 マラヤ連合からマラヤ連邦へ――外来系住民の市民権をめぐって①
第8章 ムルデカへの道――外来系住民の市民権をめぐって②
第9章 マレー人はなぜ優遇されているのか?――特別な地位規定と政策
【コラム2】30%ルール
第10章 国王は何をするのか?――変化する国王の役割り
第11章 クアラルンプール――華人の街からマレー人の街へ
第12章 首都における「血の記憶」――5月13日事件
Ⅱ 人々の生業と生活
第13章 マレーシアには誰が住んでいるのか?――多民族・多国籍社会の横顔
【コラム3】あいまいさを持つ「ブミプトラ」
第14章 マレー人とは?――その多様性と混淆性
【コラム4】華麗なる一族とオスマントルコ
第15章 華僑、華人、マレーシア人?――多民族社会の憂鬱
第16章 インド系の人々――プランテーションの住人から都市の住人へ
第17章 サバに住む人々――定期市タムと民族間の共生
第18章 サラワクの人々と歴史――流域社会の連合体からサラワクへ
第19章 オラン・アスリと呼ばれる人々とは?――開発・イスラーム化・先住民運動
第20章 人々は何を信じているのか?――イスラームとその他の宗教
第21章 人々はどんな言葉を用いて、日常生活を送っているのか?――国語と多言語社会のコミュニケーション
【コラム5】DBP(言語図書局)
第22章 人々の1年と祝日――暦と暮らし
第23章 人々はどこに、どのように住んでいるのか?――住まいと暮らし
第24章 人々はどのように移動しているのか?――LCC、高速バス、公共鉄道
第25章 人々は外出時に、また家の中で何をまとっているのか?――衣類と暮らし
第26章 人々は何を、どのように学ぶのか?――教育制度と教育内容
第27章 高等教育のハブへ――私立高等教育機関による挑戦
第28章 ひとつの高等教育システムへ――マレーシア高等教育構想
第29章 女性と社会参加――社会での活躍と課題としてのジェンダー格差
第30章 人々はどのように情報を集め、また発信するのか?――多様な言語環境の下でのメディア利用
第31章 人々は何を楽しんでいるか?――主役の映画
第32章 マレー人は何を読んでいるか?――ヒカヤッから社会的文学へ
第33章 華人は何を読んでいるか?――新しい潮流へ
第34章 人々は「退職後」にどのように備えるのか?――「高齢化」を見据えて
Ⅲ 政治・行政の仕組み
第35章 マレー半島部の人々と政治――BN優位から政権交代を経て多党乱立へ
第36章 サバ州の人々と政治――選挙と政党
第37章 サラワク州の人々と政治――選挙と政党
第38章 法律はどのようにつくられるのか?――連邦議会の役割
第39章 連邦―州政府関係(1)――半島部マレーシア
第40章 連邦―州政府関係(2)――サラワクとサバ
第41章 州から見たマレーシア――変化する統治者の役割と統治機構
第42章 イスラームは政治にどのように関わるのか?――イスラーム勢力
【コラム6】モスクという場
Ⅳ 経済の仕組み
第43章 マレーシア経済の根幹は?――新経済政策
【コラム7】一般化した『ブミプトラ政策』
第44章 人々のお金はどのように回っているのか?――財政の仕組み
【コラム8】通貨単位Malaysia Ringgit
第45章 金融制度――2つの顔を持つ中央銀行と銀行部門
第46章 ツインタワービルは誰のものか?――国有石油公社と天然資源
第47章 工業化の牽引力は誰?――外国資本/日系企業
第48章 マレーシアの働く人々――多様なエスニシティや国籍の労働者と課題となる労働問題
第49章 経済格差へのアプローチ――民族間から「包摂性」へ
第50章 「中所得国の罠」脱出なるか――産業高度化は停滞も内需主導で安定成長
第51章 アリババ・ビジネス、UMNOプトラからの脱却――ブミプトラ企業
第52章 イスラームと経済開発の「接合」――政府主導の試みとその意味
第53章 新しいマレーシアの経済――スタートアップ・エコシステムと新たなビジネス機会
第54章 農村はどうなっているのか?――農業の空洞化とアブラヤシ生産の広まり
第55章 多様な環境問題と問われる法対策――森林資源開発から工業化まで
Ⅴ 「小さな国」の周囲との関係
第56章 マレーシア外交――多国間、途上国のリーダー、そしてイスラーム
第57章 ASEANとマレーシア――10か国のグループの一員として
第58章 マレーシアとシンガポール――近親憎悪から有機的関係へ
おわりに