序章 「外国人の子ども」から四半世紀を経て[樋口直人・稲葉奈々子]
1.「国際移民の時代」をめぐる時間の経過のなかで――問題の所在
2.進学格差と学校をめぐる問題
3.子どもから青年へ――「学校後」の軌跡
4.「排除との闘い」から何を学べるか
第1章 「だって、家族だから」――南米系2世の大人への移行過程と家族の意味づけ[山野上麻衣]
1.はじめに
2.不利のなかで育つ若者たちの大人への移行過程をどのように読み解くか
3.それぞれの歩んで来た道
4.「制約のなかの選択」はいかに形成されたのか
5.若者たちの価値と選択、帰結はいかに関連するのか
6.おわりに――若者たちのエイジェンシーをどう理解し、どう向き合うか
第2章 在日ブラジル人コミュニティにおける教育の発展――在日ブラジル学校、ブラジルの通信制大学の役割と関係性[ヨシイ オリバレス ラファエラ]
1.はじめに
2.先行研究の検討
3.分析の視点と調査概要
4.ブラジル学校の機能と発展
5.ブラジルの通信制大学の機能と発展
6.ブラジル学校とブラジルの通信制大学の関係性
7.おわりに
第3章 フィリピン系2世が語る「家族/pamilya」――進路選択と家族内役割に注目して[原めぐみ]
1.はじめに
2.分析の視点
3.方法論
4.フィリピン系2世の背景
5.進路選択に関する考察
6.越境家族の中で形成される家庭内役割と家族規範
7.おわりに
第4章 移民第2世代のキャリア形成支援における展望と課題――コミュニティにおける実践の記録[オチャンテ 村井 ロサ メルセデス]
1.はじめに
2.対象地域について
3.調査方法
4.高校進学をめぐる取り組み
5.大学進学への道
6.今後必要な支援は何か――結語に代えて
第5章 移民第2世代における教育から職業への移行過程――複数の社会的文脈への埋め込みをめぐって[樋口直人]
1.第2世代新卒者における「就活」の不在?――問題の所在
2.分析枠組み――移民第2世代の就職をめぐる日本的文脈
3.データと調査について
4.移民2世における教育――職業の移行過程
5.結論――「再チャレンジ」支援の有効性
第6章 ペルー人第2世代の帰国経験――「日本帰り」と呼ばれる若者の軌跡をたどって[小波津ホセ]
1.はじめに
2.帰国する出稼ぎ労働者の子ども――ペルーは「日本帰り」の母国?
3.なぜ帰国するのか――先行研究の検討
4.帰国した第2世代の経験――分類の試み
5.帰国の要因――親、排除と再統合
6.居場所を求めて――達成型、挽回型、漂流型への分岐
7.まとめ――日本帰りの移動
第7章 在留資格がない移民2世たち[稲葉奈々子]
1.現代日本の身分制度
2.存在しないことにされている人々
3.正規/非正規の境界領域におかれる子どもたち
4.出口なし
5.成長とともに奪われていく自由
6.精神的な影響
7.成長を許されない「大きな赤ん坊」
8.「剥き出しの生」からの発信
あとがき