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アタッチメント・ハンドブック

里親養育・養子縁組の支援

著:ジリアン・スコフィールド
著:メアリー・ビーク
監:御園生 直美

紙版

内容紹介

子どもの心と行動、養育者の心と行動の相互作用を理解するうえで重要な概念であるアタッチメント。本書は、アタッチメント理論を実践の場で活用したいと願う人たちに向けて書かれた。里親、養親、彼らを支援する人々にとって治療的養育の実践ガイドとなる一冊。

目次

 謝辞
 第2版
 前書き
 第2版への前書き

 はじめに

第Ⅰ部 アタッチメント理論

第1章 アタッチメント理論――中心的な概念
 ボウルビィとアタッチメント理論の起源
 近接性希求と安全基地の重要性
 マインドマインデッドネスと感情・行動の調整
 適応、心的表象、内的ワーキングモデル
 発達経路――内的ワーキングモデルの継続性と変化
 アタッチメント形成と発達――主な段階
 安定型・不安定型のアタッチメント
 アタッチメント障害
 安定型/不安定型アタッチメントの測定
 まとめ
 実践に向けた重要なメッセージ

第2章 安定型/自律型のパターン
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 成人期と子育て期
 まとめ

第3章 回避型/軽視型のパターン
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 成人期と子育て期
 まとめ

第4章 アンビバレント型、抵抗型、とらわれ型のパターン
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 成人期と子育て期
 まとめ

第5章 無秩序型/統制型/未解決型のパターン
 無秩序とマルトリートメント
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 成人期
 まとめ

第Ⅱ部 安全基地モデル

 はじめに
 利用可能性――子どもの信頼感を育む
 敏感性――子どもが感情に対処できるよう手助けする
 受容――子どもの自尊感情を形成する
 協調――子どもの効力感を育む
 家族メンバーシップ――子どもの所属感を育む

第6章 利用可能性――子どもの信頼感を育む
 子どもが委託家庭に持ち込むもの
 里親や養親がするべきこと
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 結論
 まとめ
 子どもの信頼感を育むためのアプローチ

第7章 敏感性――子どもが感情に対処できるよう手助けする
 子どもが委託家庭に持ち込むもの
 里親や養親がするべきこと
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 結論
 まとめ
 子どもが感情に対処できるよう手助けするためのアプローチ

第8章 受容――子どもの自尊感情を形成する
 子どもが委託家庭に持ち込むもの
 里親と養親がするべきこと
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 結論
 まとめ
 子どもの自尊感情を形成するためのアプローチ

第9章 協調――子どもの効力感を育む
 子どもが委託家庭に持ち込むもの
 里親と養親がするべきこと
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 結論
 まとめ
 子どもの効力感を育むためのアプローチ

第10章 家族メンバーシップ――子どもの所属感を育む
 子どもが委託家庭に持ち込むもの
 里親と養親がするべきこと
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 結論
 まとめ
 子どもの所属感を育むためのアプローチ
 安全基地モデルの五つの側面のまとめ(図表9)

第Ⅲ部 理論と実践

第11章 アタッチメントと一般的な行動の問題
 子どもが委託家庭に持ち込むもの
 アタッチメント理論の適用
 行動の問題
 まとめ

第12章 アタッチメントを念頭に置いて①――子どものソーシャルワーカーの役割
 子どものアセスメントと計画
 年齢に関連する強みと困難さを特定する
 計画とマッチング
 ソーシャルワーカーの子どもとの関係性と仕事
 まとめ

第13章 アタッチメントを念頭に置いて②――里親養育・養子縁組のソーシャルワーカーの役割
 里親と養親のアセスメント
 里親と養親へのサポート
 結論
 まとめ

第14章 アタッチメントと交流
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 結論
 まとめ

今後の展望――子ども、家族、ソーシャルワーカーに安全基地を提供する

 参考文献
 監訳者後書き
 索引

著者略歴

著:ジリアン・スコフィールド
イースト・アングリア大学の児童・家庭福祉学の教授。経験豊富なソーシャルワーカーであり、数年間、訴訟後見人として活動してきた。研究と教育のテーマは、アタッチメン理論と家庭委託の実践、子どもの発達に対するマルトリートメントの影響、養育と犯罪、社会的養護のもとにいるLGBTQの若者、そして積極的なパーマネンスの選択肢としての長期里親養育の役割である。
著:メアリー・ビーク
イースト・アングリア大学の研究員で、養子縁組と里親の分野で20年以上の経験がある。特に年長の子どもの里親養育や養子縁組者のトレーニングとサポートに関心がある。1997年から2018年までは、実践と研究の仕事をつなげ、里親、養子縁組、離婚に関する研究に携わってきた。この本は、トレーニングプログラムとDVD/ビデオ(Beek M and Scofield G (2006)Attachment for Foster Care and Adoption, London BAAF)も伴っている。これらは、里親、養子縁組者、実務者が本著の理論やアイデアを活用できるように設計されている。里親、養親、実践者が、この本に書かれている理論や考え方を子どもの理解や養育に活用できるように設計されている。さらに、安全基地モデルを使用するためのリソースを提供するウェブサイトもある。
www.uea.ac.uk/providingasecurebase.
監:御園生 直美
The Tavistock & Portman NHS(University of East London)Infant mental health MA. 臨床心理士、公認心理師、博士(心理学)。白百合女子大学研究助手(助教)、The Tavistock & PortmanNHS Research Assistantを経て、現在、早稲田大学社会的養育研究所研究院客員講師。NPO法人里親子支援のアン基金プロジェクト理事。
[主な著書]
『中途からの養育・支援の実際─子どもの行動の理解と対応』(編集、2021年、明石書店)、『児童虐待における公認心理師の活動』(分担執筆、2021年、金剛出版)、『ルーマニアの遺棄された子どもたちの発達への影響と回復への取り組み――施設養育児への里親養育による早期介入研究(BEIP)からの警鐘』(監訳、2018年、福村出版)、『フォスタリングチェンジ――子どもとの関係を改善し問題行動に対応する里親トレーニングプログラム【ファシリテーターマニュアル】』(監訳、2017年、福村出版)、『乳幼児虐待のアセスメントと支援』(分担執筆、20…

ISBN:9784750354934
出版社:明石書店
判型:A5
ページ数:528ページ
価格:3800円(本体)
発行年月日:2022年11月
発売日:2022年11月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS