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ウェルビーイングな社会をつくる

循環型共生社会をめざす実践

著:草郷 孝好

紙版

内容紹介

経済と社会を発展させながら、誰一人取り残さずに生活状態を改善することは可能なのか。本書は、潜在能力アプローチ、社会的関係資本、内発的発展論を援用し、経済成長モデルからウェルビーイングモデルへの転換を提唱する。私たち自身が社会を変えていくための処方箋。

目次

序章 誰一人取り残さないウェルビーイングな社会の提案
 新型コロナ禍で問い直される豊かなライフスタイル
 課題先進国日本
 社会変革へのビジョン
 循環型共生社会への変革

1章 2030アジェンダと循環型共生社会
 国連ミレニアム宣言から2030アジェンダへ
 2030アジェンダとは?
 SDGsがめざす「循環型共生社会」
 環境と調和する循環型経済
 いのちを大切にする共生社会

2章 経済成長モデルによって何を得て、何を失ったのか
 経済成長モデルの思い描く豊かさ
 経済成長モデルのしくみ
 暮らし向きはどう良くなったのか
 国民一人あたりのGDPと暮らし向き
 経済成長モデル下の暮らしの実像
 利益のパイを奪い合う社会
 貧困世帯の増加と高止まり
 心身の健康はどう良くなったのか
 世界トップクラスの長寿国へ
 健康寿命に注目する
 教育はどう良くなったのか
 才能を伸ばし、技能を磨く教育
 伸びる高校と大学への進学率
 いじめと不登校生徒の大幅増

3章 なぜ経済成長モデルは社会に歪みをもたらすのか
 経済成長モデルが引き起こす格差と分断
 アメリカ社会に見る経済成長モデルの落とし穴
 格差と分断を生む新自由主義経済
 企業利益重視の新自由主義経済政策
 持続困難な経済成長モデル
 ごみや公害を引き起こす経済のしくみ
 人と人を孤立させる勝者選別の社会
 経済成長モデルと幸福のパラドクス
 日本人の幸福感の変化
 固定化する幸福のパラドクス

4章 循環型共生社会の構想
 なぜ循環型共生社会に変革すべきなのか
 分かち合いの循環型共生社会
 循環型共生社会が大切にすること

5章 循環型共生社会をつくるウェルビーイングモデル
 ウェルビーイングの意味
 ウェルビーイングモデルのしくみ
 ウェルビーイングモデルの大黒柱:潜在能力アプローチ
 3つのタイプの潜在能力
 ウェルビーイングモデルの土台:社会的共通資本
 ウェルビーイングモデルと幸福度
 ウェルビーイングモデル対経済成長モデル

6章 ウェルビーイングモデルによる政策づくり
 自助・共助・公助原理の限界
 個人・地域・行政が対話し、協働する社会への転換
 ウェルビーイングモデルによる政策の軸足
 いのちを尊重する労働政策
 主体性と共感力を磨く教育政策
 健康長寿を重視する予防医療政策
 自然と共生する経済政策
 誰もが対話できる共生社会

7章 ウェルビーイングを大切にする地域づくりのカギ 地域社会を動かす市民の主体性
 地域協働で地域の未来のビジョンを描く
 地域協働を醸成する6つのポイント
 水俣市の環境モデル都市のまちづくり
 長久手市のたつせのある共生のまちづくり

終章 私たちがつくる未来

 引用・参考文献
 あとがき

著者略歴

著:草郷 孝好
関西大学社会学部教授。ウィスコンシン大学マディソン校PhD(開発学)取得。民間会社、世界銀行、明治学院大学、北海道大学、国連開発計画(UNDP)、大阪大学を経て現職。ブリティッシュコロンビア大学客員教授(2015~2016)、総合地球環境学研究所客員教授(2015~現在)。さまざまな立場の人々が主体的によりよい生き方を実現できる社会のあり方と実践を探求し、当事者主体の内発的なコミュニティづくりの理論的研究とアクションリサーチを行っている。地域共創による内発的な地域づくりや2030アジェンダ(SDGs)を推進する自治体を支援している。大阪府SDGs有識者会議委員、愛知県長久手市幸せのモノサシアドバイザー、兵庫県新但馬地域ビジョン検討委員会長、兵庫県朝来市第3次総合計画審議会長などを歴任。主な著書に『GNH(国民総幸福)』(共著、2011年、海象社)、『市民自治の育て方』(編著、2018年、関西大学出版部)などがある。

ISBN:9784750354330
出版社:明石書店
判型:4-6
ページ数:228ページ
価格:2200円(本体)
発行年月日:2022年07月
発売日:2022年07月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQ