刊行に寄せて[西村隆男]
監訳者まえがき
序文
1.本書の意義
本書のねらい
CESFという職業の変化
本書が出版された経緯
本書の構成
CESFに固有の専門性とは
2.Conseiller・Économie・Sociale・Familiale――CESFを構成する4つの言葉が意味するもの
Conseiller(「アドバイザー」)という呼称に含意されるもの
Économie(「経済」)の持つ2つの側面
Sociale(「社会」)と「福祉」の側面
Familiale(「家族」、「家庭」)
3.CESFの社会的認知
CESFの置かれている矛盾と対立をはらんだ緊張関係
CESFの特殊な専門性
第1章 家庭科教育の社会・家庭経済への転換
1.社会・家庭経済の職業としての実践
家庭科教育から社会・家庭経済への転換に至る歴史
家庭科教育の「専門性」――家事の知識と実践
職業倫理の主張
ヴィシー政権に関する概要
2.家庭科教育から社会・家庭経済へ――曖昧な出発点
家庭科教育の崩壊と再編
深化する専門性
複合的な専門職養成課程
新たなプロフェッショナリティ
3.アクターの動態
4.CESFの新たな挑戦
CESFが対象とする分野の妥当性
CESFの具体的な業務
CESFを取り巻く状況の変化
CESFの専門性の深化とアップデート
CESF養成教育の今後
対立するCESFの職業倫理と雇用主の論理
第2章 変化する社会状況とCESFの就職と職場
1.近年における社会状況の変化
社会的支援介入機関の再編
家族手当金庫の業務の変貌
法改正と福祉団体の増加
変化を強いられたCESFの職業
乱立する「社会的支援介入職」
2.CESFの雇用主と介入の領域の変化
雇用市場の再編――従来からの雇用者と新たな雇用者
公的機関による雇用
家族手当金庫で働くCESFの業務の変化
病院で働くCESFの業務の変化
CESFの将来有望な雇用業界――身体障害者・要介護者・法的成年保護・住宅・環境教育
在宅生活の伴走者としてのCESF
司法的伴走者としてのCESF
エネルギー・環境教育アドバイザーとしてのCESF
CESFの採用論理――CESFは他職種のソーシャルワーカーと同じ理由で採用されるか?
CESFの就職方法
第3章 CESFの業務と職種
1.CESFの職務内容、プロフィール、活動内容の多様性
フォローアップという活動領域
家計教育活動
職業的包摂のフォローアップ
グループの教育活動およびグループ指導
CESFの事務・運営管理
地方公共団体のCESF
介入における自律性の確保
アシスタン・ソシアルとCESFの相互補完性の原則
県議会に勤めるCESFのプロフィールと職務
チームで働くCESFによる介入
CESFへのインタビューから
市町村役場におけるCESFのプロフィールおよび活動
医療機関および社会福祉機関におけるCESF
介入のコンテキスト
アシスタン・ソシアルと協働するCESFの活動内容
後見人担当の団体におけるCESF
低家賃住宅公社の社会福祉アドバイザーとして働くCESF
職業訓練および職業的包摂のための専門機関におけるCESF
2.適応能力に優れた職業としてのCESF
自らを模索し続けるCESFの抱える問題点
介入領域における境界に関する問題
介入の意味に関する問題
CESFのアイデンティティを担保する行動倫理
CESFによる介入の性質
CESFの態度
CESFによる介入の方法
CESFの介入の教育的側面に対して認められる重要な役割
第4章 CESFの専門性、知識および養成課程
1.多様な職務状況におけるCESFの専門性と知識
個別支援および教育活動を行う能力
クライアントの状況を分析し、そのニーズと制度上の権利を正しく評価、把握する能力
集団活動において「オールラウンド」の指揮指導を行う能力
特に複雑な社会・経済的な状況を分析する能力
サービス・研修を管理し、組織を管理する能力
2.CESF養成課程の強みと弱み
CESF自身の観点
CESF養成校教員の観点
雇用主の要請
CESF養成課程の改革に対する見方
CESF養成課程の特徴
CESF養成課程の知識詰込み主義的な性質
CESFのソーシャルワークへの組込み
CESF養成課程における特殊性の不在
結論
1.本書における確認事項
ソーシャルワークにおけるCESFの位置付け
CESFに対する見方の変化
ソーシャルワークの再編における社会・家庭経済の行方
2.CESFという職業の今後
職業倫理と雇用主の論理
包括的かつ個人的なアプローチに対する疑問
社会的支援介入における心理的支援の強化
ソーシャルワーク労働市場の開放
専門性と資格
CESFの非職業化(非専門職化)に向かっていくのか
世代間で異なるCESFの職業に対する認識を超えて
補論 IRTS教育主任アニエス・フォステル氏へのインタビュー
2011年以降の養成課程の改革
CESFとアシスタン・ソシアルとの相互補完性
CESFとBTSの国家試験
CESFが就いているポストの例
CESFに対する様々な呼称――資格と呼称の不一致
文献