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テレビジョンの文化史

日米は「魔法の箱」にどんな夢を見たのか

著:小代 有希子

紙版

内容紹介

かつて日米のテレビエンジニアたちは、国境を越えた共通のライフスタイルをつくる夢を見た。だが戦後、テレビ文化が発達するにつれ、日米の溝が次第に深まっていったのはなぜなのか。「環太平洋アジア・テレビ文化圏」の可能性とあわせ、新世代に問う意欲作。

目次

はじめに――日本とアメリカをつなぐテクノロジーと文化

第1章 「魔法の箱」とグローバリズムの夢
 Ⅰ 無線通信と世界――テレビ開発の前史として
 Ⅱ テレビの誕生
 Ⅲ 一九三〇年代の日米テクノロジー交流

第2章 アメリカ占領とテクノ・ナショナリズム
 Ⅰ 大戦から終戦直後へ――それぞれのテレビ開発
 Ⅱ 再開した日本のテレビ開発とGHQ
 Ⅲ アメリカの「支援」
 Ⅳ 日本におけるテレビ本放送のはじまり

第3章 テレビ文化黎明期――日米ベビーブーマーの共通体験とへだたり
 Ⅰ シンクロニシティ
 Ⅱ 日本製テレビ、アメリカへ
 Ⅲ テレビで見る相手

第4章 カラーテレビの不調和――アメリカの恩と日本の感謝をめぐって
 Ⅰ カラーテレビ創成期と東京国際見本市
 Ⅱ RCAサーノフへの勲章と来日
 Ⅲ ニューヨーク世界博とカラーテレビ

第5章 衛星放送と友好のイメージ――宇宙中継がつなぐもの
 Ⅰ 衛星テレビと日米同盟
 Ⅱ 東京オリンピック衛星中継への道
 Ⅲ 衛星テレビ放送がつながなかったもの

第6章 テレビで相手を知ること――ドキュメンタリーからコメディまで
 Ⅰ テレビの真実と「ウソ」
 Ⅱ 日米友好を促進するテレビ番組
 Ⅲ 『われらの世界』とアポロ中継
 Ⅳ 日本からの発信

第7章 VCR革命とtele-vision(遠く離れた視界)
 Ⅰ 絡まり合う日米の思惑
 Ⅱ VCR革命
 Ⅲ みえない相手

おわりに――ここからどこへ

 あとがきにかえて

 註
 人名索引
 事項索引

著者略歴

著:小代 有希子
東京外国語大学、東京大学大学院を経て、フルブライト奨学生として米国コロンビア大学院に留学し、1992年に歴史学博士号を取得。米国大学で教鞭をとった後、2006年より日本大学国際関係学部教授を務める。著書にはImperial Eclipse: Japan's Strategic Thinking about Continental Asia before August 1945(邦訳:『1945 予定された敗戦――ソ連進攻と冷戦の到来』人文書院、2015年)のほか、日米関係における人種要因を考察したTrans-Pacific Racismsand the US Occupation of Japan(2001年、大平正芳賞受賞)がある。

ISBN:9784750353982
出版社:明石書店
判型:A5
ページ数:448ページ
価格:6300円(本体)
発行年月日:2022年05月
発売日:2022年05月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KNTC