はじめに――ツンドラに生きる
序論 チュクチの調査に向けて
0.1 チュコトカという地域
0.2 北方地域の生態人類学とチュクチ
0.3 研究の枠組みと現地調査の過程
第1章 日本からロシアのツンドラへ
1.1 成田空港からモスクワへ、そしてチュコトカへ
1.2 調査地の村へ
1.3 中心村落の生活
1.4 村の形成史
第2章 ツンドラの“陸の世界”――トナカイと人
2.1 トナカイキャンプへ:衣食住
2.1.1 衣食住
2.1.2 キャンプの集団構成
2.1.3 移動形態
2.1.4 トナカイの管理技術
2.2 農場経営からみたトナカイ牧畜
2.2.1 トナカイ頭数の変化と経営戦略
2.2.2 トナカイ牧畜の国家管理と牧夫の給料
2.3 放牧テリトリーの変化とチュクチの主体的対応
2.3.1 放牧地の再編(1968~1997年)とその要因
2.3.2 ブリガーダ構成員の増加:ブリガーダNo.9の事例
2.4 ソビエト崩壊後のチュクチのトナカイ牧畜
2.5 村からペベックに戻る
第3章 トナカイの民のエスノヒストリー――世界最大規模の家畜飼育者の変容
3.1 1900年ごろの“トナカイチュクチ”の地域集団
3.2 チュクチの毛皮交易
3.3 アメリカ人と“トナカイチュクチ”の交易:チャウン地区の事例
3.4 20世紀前半におけるアメリカ人とチュクチとの交易
3.5 20世紀前半におけるチュコトカ・カムチャッカ地域
第4章 変わりつつあるトナカイの村
4.1 近年の政治経済の動向
4.2 チュコトカ自治管区におけるトナカイ牧畜の変化(1927~2001年)
4.3 チュコトカ自治管区内の地区別の変化
4.3.1 トナカイ飼育頭数
4.3.2 経営体の形成と解体
4.4 社会主義体制崩壊後にトナカイ飼育が衰退する村:トナカイ飼育からサケ漁業へ
第5章 ツンドラの“海の世界”――クジラと人
5.1 ベーリング海峡の海獣猟の村へ
5.2 意外に容易なクジラ猟
5.2.1 チュコトカの海獣狩猟
5.2.2 海獣類の種類と生態
5.2.3 クジラ狩猟の実態
5.3 クジラの解体と捕獲した肉の分配
5.4 狩猟キャンプへ:セイウチと人
5.5 村のなかでのクジラ狩猟:世界でもっとも肉のある村
第6章 変わりつつあるクジラの村
6.1 “海獣チュクチ”のエスノヒストリー
6.2 集落別の海獣類の地域性
6.3 クジラ捕獲制限頭数の割り当てとチュクチ:村における2つの事業体
6.4 近年の政治動向の変化と海岸の村
第7章 陸と海を越えて――3万年のホモ・サピエンス史、北方適応から極北適応へ
7.1 旧石器時代(3万~2万年前)と遊動狩猟民:マンモス・野生トナカイ・人
7.2 新石器時代以降(2万年前~17世紀)のフロンティア空間:海獣資源とアラース
7.3 帝政ロシア時代(1721~1917年)のトナカイ牧畜の導入と多頭飼育化:陸域と海域の地域生態系
7.4 ソビエト時代からロシア時代へ(20世紀):トナカイ牧畜と海獣狩猟の地域性
7.4.1 陸域:シベリア・サハリンのトナカイ牧畜の比較
7.4.2 多様な海獣狩猟:北太平洋の海獣狩猟の地域性
7.4.3 捕鯨をとりまく問題
7.5 移動性・回遊性のある生き物の資源管理
第8章 日本でのチュクチの紹介
8.1 国立民族学博物館でチュクチ文化を展示
8.2 トナカイ飼育者のその後:映画『ツンドラブック』の民博での上映
おわりに――ロシアの先住民管理の方法とツンドラへの適応力
あとがき
参考文献
付録資料 チュクチに関する文献一覧
索引