出版社を探す

ソーシャル・イノベーションの理論と実践

編:今里 滋

紙版

内容紹介

地域社会で生じている具体的な課題・問題をどのように解決するか。執筆者自らが変革の主体となって社会実験を重ね、実体的な変化を創出した研究成果を集約。ソーシャル・イノベーション学構築に向けた礎の書であり、同様に社会変革を志す市民にとっての手引書。

目次

 まえがき[今里滋]

第1章 ソーシャル・イノベーションの教育と研究[今里滋]
 1 はじめに
 2 SIコースの創設
 3 SIコースのカリキュラム編成
 4 SIコースの始動
 5 SIコースの成果
 6 おわりに

第2章 世界におけるソーシャル・イノベーション研究とその課題[青尾謙]
 1 はじめに
 2 ソーシャル・イノベーション研究の広がり
 3 2000年代以降のソーシャル・イノベーション研究
 4 「2016年」以降のソーシャル・イノベーション研究
 5 新型コロナウイルス後のソーシャル・イノベーション研究
 6 おわりに:まとめと課題

第3章 市民の参加で進めるソーシャル・イノベーション[早瀬昇]
 1 はじめに
 2 市民の参加によるソーシャル・イノベーションの意味
 3 市民参加の悲しい現実
 4 参加と協力の舞台としてのNPO
 5 おわりに

第4章 持続可能な地域経済を支える共創コミュニティ[服部篤子]
 1 はじめに
 2 コミュニティの再考
 3 都市養蜂コミュニティの挑戦
 4 同志社みつばちラボの展開
 5 おわりに:持続可能な共創社会にむけて

第5章 「多文化共生」とは何か――社会変革の鍵概念としての再検討[森雄二郎]
 1 はじめに
 2 日本における多文化社会の進展
 3 「多文化共生」概念の再検討
 4 「変わりあう」の関係を築くために
 5 おわりに

第6章 食と農をめぐるソーシャル・イノベーションの展開――イタリア南部の農業・農村政策を中心に[大石尚子]
 1 はじめに
 2 食農分野に求められるソーシャル・イノベーション
 3 イタリアの農村・農業の歴史的変遷と特徴
 4 イタリア南部農村における新たな潮流
 5 おわりに

第7章 ソーシャル・イノベーションの理論と技法[新川達郎]
 1 はじめに:ソーシャル・イノベーションの理論的課題
 2 SIの定義における特徴とその理論的な構成
 3 SIの理論から技法へ
 4 おわりに:SIの理論と技法における今後の展開

第8章 小規模自治体における内発的地域イノベーション・エコシステム[佐野淳也]
 1 はじめに
 2 内発的地域イノベーション・エコシステムとは何か
 3 徳島県神山町における内発的地域イノベーション
 4 島根県海士町における内発的地域イノベーション
 5 宮城県女川町における内発的地域イノベーション
 6 各地域事例の比較分析

第9章 日本におけるソーシャル・イノベーション言説の受容[小田切康彦]
 1 はじめに
 2 新聞記事数および論文数からみたSIの動向
 3 SI関連新聞記事および論文の意味内容
 4 おわりに

第10章 個と地域の可能性を拓く“内発的イノベーション論”[松原明美]
 1 はじめに
 2 内発的イノベーション論とは
 3 内発的イノベーションを促進する自己教育プログラム
 4 内発的イノベーションの3つの実践事例
 5 内発的イノベーションによる地域づくりとは
 6 おわりに

第11章 ユニバーサルデザインによる社会変革[関根千佳]
 1 はじめに
 2 ユニバーサルデザインとは何か
 3 教育と雇用のUDが起こすソーシャル・イノベーション
 4 おわりに

第12章 伝統的生活文化の中に見出した革新性[浜崎英子]
 1 はじめに
 2 伝統的なものの本質と課題をヒントに
 3 視点を変えることで生まれたアイデア
 4 社会的価値を発信し普及拡大するために大切にしたこと
 5 おわりに

第13章 「地球環境×高校生」がもたらすソーシャル・イノベーション[宗田勝也]
 1 はじめに
 2 殿堂,国際シンポジウムと「京都の高校生による気候行動サミット」
 3 高校生プログラムの課題と可能性:ソーシャル・イノベーションの観点から
 4 事業を通して生まれた社会的関係性,協働

第14章 〈砂場〉のプレイフルなイノベーション――遊具〈砂場〉の今日的価値創造の試み[笠間浩幸]
 1 はじめに
 2 〈砂場〉の根本的な環境改善
 3 〈砂場〉の発展的な環境改善
 4 「砂」を用いた活動プログラムの開発
 5 おわりに:現状と課題

第15章 多文化共生教育のイノベーション[李月]
 1 はじめに
 2 日本における多文化共生教育の現状と課題
 3 多文化共生教育の理論的・実践的イノベーション
 4 多文化共生教育イノベーションによる児童の変容と成長
 5 創造性教育としての多文化共生教育
 6 おわりに

第16章 ローカル・ホテルを核とした地域イノベーション[中川雄貴]
 1 はじめに
 2 過疎・高齢化・産業衰退:三重苦の地域に未来はあるのか?
 3 地域をだめにしてきた観光政策
 4 地域包摂型ツーリズムというイノベーション:答えは地元と自分たちの中にあった!
 5 世界に通用し誇れる“美杉モデル”
 6 おわりに

第17章 有機農業による農村イノベーション[渡辺雄人]
 1 はじめに
 2 農業・農村の課題とイノベーションの可能性
 3 大原地区におけるソーシャル・イノベーションの実践:事例研究〔前編〕
 4 大原地区におけるソーシャル・イノベーションの実践:事例研究〔後編〕
 5 持続可能な社会的農業経営と地域の未来
 6 おわりに

第18章 関係人口による地域価値共創プログラムの構築――宮崎県五ヶ瀬町「関係人口創出・拡大事業」を事例に[大和田順子]
 1 はじめに
 2 ソーシャル・イノベーションの源泉としての農山漁村
 3 五ヶ瀬町関係人口創出・拡大事業
 4 関係人口と地域の協働による「地方創生人材育成モデル」
 5 おわりに

 あとがき[新川達郎]
 執筆者紹介

著者略歴

編:今里 滋
九州大学名誉教授,同志社大学名誉教授。九州大学大学院法学研究科博士後期課程修了。法学博士。主な著書に『アジア都市政府の比較研究――福岡・釜山・上海・広州』(単編著,九州大学出版会,1999年),『アメリカ行政の理論と実践』(九州大学出版会,2000年)。

ISBN:9784750353500
出版社:明石書店
判型:A5
ページ数:320ページ
価格:3600円(本体)
発行年月日:2022年03月
発売日:2022年04月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB