はじめに
第1章 「住民力」で超高齢化に立ち向かうまち――松江市淞北台に学ぶ
1 高齢化率が40%なのに全国平均を下回る要介護認定率
最も多い住民は80歳代前半層
日本の約20年先を行く淞北台地区
淞北台地区と松江市の比較
2 淞北台地区は、なぜ要介護認定率が低いのか
活発な住民相互の交流
元気な高齢者が主役
いきいき健康講座の開催
活動のメニューが豊富である
女性だけでなく、男性が参加する場がある
集まりやすい拠点を有効に活用
住民ができることを明確にする
第2章 淞北台モデルは、どのようにしてできたのか――高齢者の閉じこもり予防から、安心して住み続けられるまちづくりへ
1 淞北台地区の成り立ちと「いきいきライフを推進する会」の発足
開発から50年、坂道の多いまち
渇水の危機を住民の団結で乗り切る
「いきいきライフを推進する会」発足の経緯とその背景
発足当初の活動は地域住民への啓発が中心
2 淞北台地区におけるアクションリサーチ
住民がまちづくりの主役となるワークショップ
ヒアリング等から明らかになった課題
ワークショップで明らかになった課題
実は住民団体相互も縦割りだった
3 「住民ができること」「支援を求めること」を明確にする
住民が協力してできることをおこなう
住民組織の主導による淞北台福祉ネットワーク会議の開催
外部機関の支援を最大限に活用した活動の展開
住民相互の支え合い活動から、安心して住み続けられるまちづくりへ
住民による活動が活性化した要因
第3章 急迫する大都市の超高齢化と地域の挑戦
1 急迫する大都市の超高齢化
大都市では、2010年から2025年にかけて高齢者人口は50%増
スポンジ状に進む大都市の超高齢化
深刻化する大都市における高齢者の介護問題
地方に比べて高い大都市の要介護認定率
介護問題だけでない高齢者の暮らしをめぐる危機
2 大都市における独居高齢者の孤立
大都市における独居高齢者の特徴
頻発する孤独死をめぐって
3 個人情報の壁を破る取り組み
中野区地域支えあい推進条例の制定まで
民生委員だけにまかせない独居高齢者への声かけ・見守りの仕組みづくり
中野区地域支えあい推進会議
水道をストップする前にすべきこと
東京都水道局との協定の締結
町会・自治会による見守り活動が広がる
桃園地域における「支えあいネットワーク会議」
ネットワーク会議の意義
コロナ禍で再開された見守り活動
4 住み慣れた地域で人生の最後を迎えるということ
人生の最後をどのように迎えるか
横須賀市における在宅看取りのための市民啓発
葬儀手伝いボランティアで独居高齢者を見送る――立川市大山団地
第4章 「住民力」で自然災害に立ち向かう
1 災害にいかに立ち向かうか
頻発する大規模災害の脅威
人口減少・超高齢社会における大規模災害
2 被災直後の対応が問われる「住民力」
陸前高田市広田町長洞集落における「住民力」
災害発生時において重要な近隣コミュニティ
3 大規模災害は長期戦
仮設住宅を「復興まちづくり」の拠点に
陸前高田市広田町における「復興まちづくり」
仮設住宅におけるコミュニティづくりと「住民力」
長期化する仮設住宅における被災者の暮らし
災害公営住宅における新たなコミュニティづくりの難しさ
災害公営住宅に知的障害者のグループホームが
4 防災・減災こそ「住民力」を鍛える場
一人も取り残さない地域防災の取り組み
第5章 「住民力」を高めるために~7つのポイント~
ポイント1 地域の現状を知り、未来を予測する
ポイント2 課題を共有化し、住民にできることを探る
ポイント3 住民力を高めるリーダーシップ
ポイント4 チームの結束力とお互いの協力関係をつくる
ポイント5 行政や関係機関・団体を最大限に活用する
ポイント6 理解者・協力者の参加を広げるしかけ
ポイント7 新たな課題に粘り強く挑戦し続けるチカラ
あとがき
引用・参考文献