学習障害のある子どもが第2言語を学ぶとき
限局性学習困難の概念・アセスメント・学習支援
著:ジュディット・コーモス
監:竹田 契一
監:飯島 睦美
内容紹介
本書は、限局性学習困難(SpLDs:Specific Learning Difficulties)のある学習者の第2言語習得プロセスの概要を明らかにする。特にはリーディングスキルの発達、教育プログラムの有効性、言語適性、他言語におけるSpLDsの診断の4点から分析し支援法を示す。
目次
日本の読者の皆さまへ
序文
第1章 限局性学習困難
1.1 学習障害、学習方法の違い、それとも学習困難?
1.2 SpLDs:それはどのようなものか?
1.3 SpLDsを定義するためのアプローチについて
1.4 読みと学習の過程
〇読みについて
1.5 書字の過程と書字の学習
1.6 SpLDsの認知特性および原因として考えられること
1.7 ADHD
1.8 ASD
1.9 要約
第2章 他言語における限局性学習困難を見出すこと41
2.1 アセスメント、同定、診断
2.2 アセスメントのプロセスとツール
2.3 異なる言語と正字法体系での読み
2.4 さまざまな言語における読みの学習成果と読みの困難さを予測する認知的および言語学的指標
2.5 読み困難における社会的、教育的、環境的要因の役割
2.6 多言語環境にいる生徒の読みと学習困難の判別
2.7 マルチリンガルな学習者のSpLDsのアセスメントの概観
第3章 限局性学習困難が第2言語学習プロセスへ及ぼす認知的影響
3.1 ワーキングメモリの構造
3.2 言語学習適性能力とワーキングメモリとの関係
3.3 言語学習適性とSpLDs
3.4 認知力、第1言語スキルと第2言語学習の相互関係
3.5 第2言語学習プロセスにSpLDsが与える影響
3.5.1 明示的、暗示的学習にSpLDsが与える影響
3.5.2 SpLDsがインプット処理に与える影響
3.5.3 新しい知識の長期記憶における音韻符号化と自動化にSpLDsが及ぼす影響
3.5.4 SpLDsがアウトプットに及ぼす影響
3.6 ASDの学習者における第2言語学習プロセス
3.7 第2言語学習がもたらす認知的効果
3.8 まとめと示唆
第4章 言語学習における限局性学習困難と情意要因
4.1 言語学習不安とSpLDsのある生徒たち
4.1.1 外国語不安の形成
4.1.2 SpLDsのある生徒の外国語学習不安
4.2 動機づけとSpLDsのある言語学習者
4.2.1 SpLDsのある生徒の言語学習目標
4.2.2 SpLDsのある生徒の言語学習態度
4.2.3 SpLDsのある生徒の自己概念
4.2.4 SpLDsのある生徒の動機づけ行動、専念、主体性
4.3 結論とその意味
第5章 限局性学習困難者の第2言語スキルに関するアセスメント
5.1 妥当性と公平性
5.2 配慮と変更
5.3 アセスメントにおける配慮の種類
5.4 High-Stakesな第2言語能力試験における配慮
5.5 当事者の視点から見たHigh-Stakesな言語試験における配慮
5.6 結論と提言
第6章 限局性学習困難のある学習者への言語教育
6.1 インクルージョン教育とディスレクシア学習者への配慮を行う学校
6.2 第2言語学習の教室におけるSpLDsのある生徒のインクルージョン
6.3 介入プログラム
6.3.1 音韻意識養成プログラム
6.3.2 フォニックス指導
6.3.3 読解力トレーニング
6.3.4 外国語教育における多感覚構造化学習プログラム
6.3.5 MSLアプローチの理論的かつ経験に基づく基本的概念
6.3.6 MSLアプローチプログラムの有効性の実証的証拠
6.4 結論
文献
あとがき
監修者・監訳者・訳者紹介
著者紹介
ISBN:9784750352886
。出版社:明石書店
。判型:A5
。ページ数:228ページ
。価格:2500円(本体)
。発行年月日:2021年11月
。発売日:2021年11月18日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNS。