序文
イントロダクション――ニグロと白人、言葉の歴史
第Ⅰ部 奴隷制と帝国
第1章 奴隷という制度
制度としての奴隷
奴隷制の社会的意味
第2章 サハラ砂漠以南のアフリカにおける奴隷制
古代以来のナイル川北部とサハラ砂漠の商業上の地位
アラブ世界の拡大と奴隷売買ルートの発展
西アフリカにおける奴隷交易国の形成
奴隷制の歴史的重み
第3章 ヨーロッパのダイナミズム
ヨーロッパ建設における一つのパラドックス
一五世紀の南大西洋におけるポルトガル人とカスティーリャ人
〇大西洋の植民地化のメカニズム
〇交易の支配
大西洋の農園
第4章 アメリカの発見
アメリカにおける事業
インディアンの奴隷化
“ニグロ”貿易
結論 奇妙な帝国
第Ⅱ部 ニグロの時代
第5章 ニグロのプランテーション(一六二〇~一七一〇年)
プランテーション――ブラジルからカリブ海の島々まで
ブラジルからカリブ海の島々に向かったオランダ人
黒人奴隷貿易国
一八世紀への変わり目における植民地拡大
第6章 不可能な社会(一七一〇~一七五〇年)
捕獲という奴隷生産
拉致からプランテーションまでの「長い旅」
プランテーションと良い農園主
不安定な秩序
ニグロという虚構
第7章 危機に向かって(一七五〇~一七九四年)
経済発展の危機――入植と奴隷貿易の対立
フランスにおけるパラダイムの変化
奴隷制と奴隷貿易への異議
人種隔離主義、“血の純潔”および植民地の階級化
パリとサン=ドマングの間の革命危機
結論 ニグロと暴力
第Ⅲ部 白人の支配
第8章 ドミ・ネーション(一七九〇~一八三〇年)
徴用された国家(一七九四~一八一五年)
〇アメリカ合衆国の奴隷制維持とフランスの奴隷制復活
〇解放奴隷をどうするか
植民地の転換とイデオロギーの急変(一八一五~一八三〇年)
〇奴隷制擁護派、リベラル派、一八二〇年の危機
〇奴隷制廃止主義と新たな支配/所有者の国家
第9章 奴隷制から人種へ(一八三〇~一八五〇年)
奴隷制からの脱却(一八三〇~一八四〇年)
人種の科学(一八四〇~一八五〇年)
「ニグロの虚構」から白人の虚構へ
第10章 新たな支配(一八五〇~一八八五年)
奴隷制なき植民地労働の再編(一八五〇~一八七五年)
〇アメリカにおける社会関係の転換の難しさ
〇アフリカにおける新たな生産計画/白人の科学
ベルリン会議(一八八五年)
第11章 人種の統治(一八八五~一九一五年)
ネオプランテーション(一八八五~一九一〇年)
人種政策
白人優位の物語を強化する
国家の退廃と純粋さの間にある国家身体
第12章 妄想、悪魔、民主主義(一九二〇~一九五〇年)
第一次世界大戦後の人口調整
〇都市――人種と近代化
〇植民地
一九三〇年代――人種主義者という群衆
〇一九三〇年代に入る時期の二つの人種危機
〇否認と熱狂の間で
結論 人種の策略
「ニグロの虚構」
「白人の虚構」
人種を終わらせるために
謝辞
解説[中村隆之]
原注
参考文献