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第二次大戦下リトアニアの難民と杉原千畝

「命のヴィザ」の真相

著:シモナス・ストレルツォーバス
訳:赤羽 俊昭

紙版

内容紹介

これまで杉原千畝の物語に欠けていたこと、それは第二次大戦中のリトアニアの状況だ。杉原はなぜ何千通ものヴィザを発給したのか。リトアニア人歴史家が自国の史料から周辺国の関係と難民の状況を読み解き、知られざる「命のヴィザ」の全貌を明らかにする。

目次

 日本語版に寄せて
 日本語版序文

序論

1 尖鋭化するヨーロッパとエヴィアン会議
 本書の立場
 20世紀リトアニア小史
 主役としてのリトアニア国家
 尖鋭化するヨーロッパ
 エヴィアン会議
 オーストリア併合とその影響
 ヨーロッパ主要各国の対応
 ヨーロッパ以外の反応
 エヴィアン会議の提唱
 米国政府による会議への招待状
 ドイツ難民高等弁務官事務所
 難民受け入れと国内問題
 会議開催に向けての駆け引き
 参加国の顔ぶれ
 開会
 「しかし、何ということだ」
 中南米諸国の代表たち
 閉幕へ
 エヴィアン会議の歴史的意義
 第二次大戦の勃発とリトアニアへの難民の流入

2 リトアニアにおける難民の管理
 リトアニア赤十字の活動とリトアニアにおける難民の動向
 難民の救済策

3 難民による地下活動

4 リトアニアにおけるユダヤ人難民
 リトアニアに到達したユダヤ人難民をめぐる状況
 ユダヤ人難民の構成
 ユダヤ人難民の救済
 リトアニアを出国しようとするユダヤ人難民の試み

5 リトアニアに抑留されたポーランド軍兵士
 抑留された兵士の支援方針
 抑留された兵士の構成
 収容所内の兵士のネットワークと心理状態の変
 ソ連のリトアニア併合による立場の変化とポーランドへの送還
 リトアニアの新聞に見る難民

6 1939~40年のリトアニアの日本領事館の活動

結びに代えて――通過ヴィザを携えて日本に向かう難民たち

 あとがき
 訳者あとがき
 解題
 原注
 写真出典

著者略歴

著:シモナス・ストレルツォーバス
1972年生まれ。ヴィータウタス・マグヌス大学にて博士号取得(歴史学)。2019年までシャウレイ大学歴史学科准教授。2016年国際交流基金フェローシップ受給。2019年名城大学招へい研究員。専門はリトアニア社会史・軍事史。現在、杉原「命の外交官」財団で主任研究員として活動。第二次世界大戦やユダヤ人難民をテーマにした出版物をはじめとする数多くの論文の著者である。主な業績として、Geri, blogi, vargdieniai: C. Sugihara ir Antrojo pasaulinio karo pabegeliai Lietuvoje(本書)、The Researching of Daily Life in Military History. The Last Nine Months of the Lithuanian Republic (1939-1940); Refugees, Rescuers, Visas. Kaunas 1939-1940 m.; The Polish internee camps in Kaunas and suburbs (1939-1940).
訳:赤羽 俊昭
1989年、早稲田大学大学院文学研究科英文学専攻修士課程修了。
翻訳に「ブライトン・ベル」(『フランシス・キング短編傑作集』新水社、2013年)。

ISBN:9784750351186
出版社:明石書店
判型:4-6
ページ数:304ページ
価格:2800円(本体)
発行年月日:2020年12月
発売日:2020年12月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1DTA