序文
経済実績と社会進歩の計測に関するハイレベル専門家グループ
要旨
持続可能な開発目標と人類の進歩の測定
世帯の所得・消費・資産の分布の測定
水平方向の不平等、世帯内の不平等、性別による資産格差
機会の不平等
所得と富の分布の測定とWIDワールドデータベース
主観的幸福を理解する
経済的安定
持続可能性の測定に対する資本アプローチとシステムズアプローチ
信頼・社会進歩・幸福
第1章 社会の進歩を測る:概要[エリザベス・ビーズリー]
第1節 序論
○コラム1.1 経済実績と社会進歩の計測に関する委員会による提案(2009年)
第2節 持続可能な開発目標と経済と社会の進歩の測定
第3節 家計の所得・消費・資産の分布を測定する
第4節 水平方向の不平等
第5節 機会の不平等
第6節 所得と富の分布を測定する
第7節 主観的幸福を理解する
第8節 経済的安定
第9節 持続可能性の測定
第10節 信頼と社会関係資本
第2章 持続可能な開発目標と経済と社会の進歩の測定[ラヴィ・カンブール/エブラヒム・パテル/ジョセフ・E.スティグリッツ]
第1節 序論
第2節 ミレニアム開発目標と持続可能な開発目標の歴史
第3節 目標設定を行う根拠
第4節 SDGsが各国政策にとって意味するもの
第5節 各国レベルの統計が果たす役割
第6節 世界レベルでの測定
第7節 結論
第3章 家計の所得・消費・資産の分布を測定する[ノラ・ルスティッヒ]
第1節 序論
第2節 経済的不平等を測定する:国際的データベースの範囲と限界
第3節 家計調査:データの問題
第4節 家計調査における「失われた富裕層」
第5節 家計の経済的幸福の指標を拡大する
5.1 現物社会移転
5.2 消費税と補助金
第6節 結論
第4章 水平方向の不平等[カーメン・ダイアナ・ディアー/ラヴィ・カンブール/フランシス・スチュワート]
第1節 序論
第2節 水平方向の不平等
2.1 水平方向の不平等はなぜ重要なのか
2.2 水平方向の不平等を測定する
2.3 どうするべきか?
第3節 世帯内の不平等と貨幣単位による不平等の測定
3.1 世帯内の不平等はなぜ重要なのか
3.2 世帯内の不平等を測定する
3.3 世帯内不平等と貧困削減の経済成長弾性値
3.4 不平等の「真の」水準を推計する
第4節 性別による資産格差
4.1 性別による資産格差がなぜ重要なのか
4.2 性別による資産格差を測定する
4.3 性別による資産格差のより良い推計値を得るためにできること
第5節 結論
第5章 機会の不平等[フランソワ・ブルギニョン]
第1節 序論
第2節 機会の不平等の定義と測定における概念的問題
2.1 機会と経済的成果:規範的問題と実証的問題
2.2 機会の定義における曖昧さと観察可能性の問題
2.3 観察される機会の不平等を測定する
第3節 機会の不平等の測定における実践的問題と定型化された事実
3.1 機会の不平等の特定の側面の直接的測定
3.2 成果に基づく機会の不平等の測定
第4節 実践面の問題の概要
第5節 結論
5.1 データ要件
5.2 優先度の高い統計値
付録5.A 報酬の決定に機会と努力が果たす役割を実証的に分割することの困難
第6章 所得と富の分布を測定する[ファクンド・アルヴァレド/ルカ・シャンセル/トマ・ピケティ/エマニュエル・サエズ/ガブリエル・ズックマン]
第1節 序論
○コラム6.1 OECDが組織するEG DNA(国民経済計算の枠組みにおいて格差測定を行うための専門家グループ)の取り組み
第2節 概念と方法
2.1 観察単位
2.2 所得と富の概念
2.3 所得と富のデータに制限がある国や期間
第3節 入手可能なエビデンスに基づいて言えること:WID.worldとDINAから得られた最初の結果
3.1 所得の不平等の動向:アメリカ、中国、フランス
3.2 民間及び公共の富/所得比率:アメリカ、中国、フランス、イギリス、日本、ノルウェー、ドイツ
3.3 富の不平等の動向:アメリカ、中国、フランス、イギリス
第4節 結論
第7章 主観的幸福を理解する[アーサー・A.ストーン/アラン・B.クルーガー]
第1節 序論
○コラム7.1 主観的幸福の尺度とは何か
1.1 2009年のスティグリッツ/セン/フィトゥシ報告書以来の主観的幸福データの測定の進歩
○コラム7.2 主観的幸福を他の成果の予測因子として、あるいは成果そのものとして利用した論文(2015年)
○コラム7.3 イギリス国家統計局による主観的幸福の測定
○コラム7.4 加齢と主観的幸福
○コラム7.5 ビッグデータを利用して主観的幸福を「リアルタイム」で捕捉する
1.2 実質的進歩:主観的幸福に関する新たな知識
○コラム7.6 世界各国の主観的幸福
1.3 政策への適用における進歩
○コラム7.7 主観的幸福と経済的不安定
第2節 未解決の問題と新たな問題
2.1 主観的幸福の理解を深めるために対処する必要のある問題
2.2 データ収集と分析の問題
2.3 政策への適用
第3節 結論
第8章 経済的(不)安定[ジェイコブ・S.ハッカー]
第1節 序論
1.1 既存の尺度の主要な特徴
第2節 経済的安定の既存の統計値の状況
2.1 主観的な経済的安定の尺度
2.2 観察される経済的安定の尺度
○コラム8.1 変動率の尺度
第3節 利用可能なエビデンスに基づいて経済的安定について言えること
3.1 「列挙されたリスク」アプローチ
3.2 所得の大幅な低下の蔓延
第4節 現在利用可能な統計値は政策への情報提供源として適切か
4.1 パネルデータ
○コラム8.2 主要なパネルデータ
4.2 行政データ
○コラム8.3 主要な行政データ
4.3 従来の世論調査における経済的安定に関する質問
第5節 結論
5.1 経済的安定に関する研究を向上させ、促進する
5.2 経済的安定に関連するデータを向上させ、強化する
5.3 経済的安定の中核尺度を特定する
第9章 持続可能性を測定する[マルレーン・デ・スメット/エンリコ・ジョバンニーニ/ヴァルター・J.ラーダーマッハー]
第1節 序論
○コラム9.1 持続可能な開発の観測の実践例
第2節 主要概念とアプローチ
2.1 資本アプローチ
2.2 システムズアプローチ
○コラム9.2 システムズアプローチの一例としての負荷‐状態‐対応(PSR)アプローチ
第3節 既存の資本尺度はどのような状態か
3.1 経済資本
○コラム9.3 富(W)と資本サービス(K)
○コラム9.4 政府財政のモデル化
3.2 人的資本
○コラム9.5 人的資本の測定アプローチ
○コラム9.6 PISA調査とPIAAC調査
○コラム9.7 景気後退が人的資本にもたらす結果
○コラム9.8 無報酬の家事労働の測定と価値評価
○コラム9.9 人的資本における男女の不平等
3.3 自然資本
○コラム9.10 環境・経済統合勘定体系の採択
○コラム9.11 カーボンプライシング
第4節 システムズアプローチによって政策に情報提供する
4.1 階層と相互依存
4.2 レジリエンス、リスク、不確実性の尺度
○コラム9.12 脆弱性・貧困・レジリエンス
第5節 結論
5.1 資本アプローチについて
5.2 システムズアプローチについて
第10章 信頼と社会関係資本[ヤン・アルガン]
第1節 序論
○コラム10.1 社会関係資本と信頼
○コラム10.2 OECDの「信頼測定のガイドライン」
第2節 信頼はなぜ大切か
第3節 信頼は何を意味するか
3.1 合理的信頼
3.2 道徳的信頼と社会的選好
3.3 信頼のタイプ
第4節 信頼に関する既存の統計はどのような状態か
4.1 信頼の尺度
4.2 信頼の尺度の妥当性
○コラム10.3 トラストラボ:実験的手法を介して信頼と社会的規範を測定する
第5節 入手可能なエビデンスに基づいて言えること
5.1 信頼は経済活動と成長にとって重要である
第6節 結論
6.1 信頼の調査尺度
6.2 信頼の実験尺度
第7節 まとめ