出版社を探す

世界人権問題叢書 102

インドの女性と障害

女性学と障害学が支える変革に向けた展望

編:アーシャ・ハンズ
監:古田 弘子

紙版

内容紹介

女性であり、障害があることによって二重に周縁化される障害のある女性が現代インド社会を自律的に生きるための道筋を、ジェンダーの視点から検討した論集。障害の医学モデルから社会モデルへの転換を考察し、また障害女性の生活実態を踏まえ上で結婚・子育て、家族としての経験を描き出す。

目次

 序[アーシャ・ハンズ]
 謝辞[アーシャ・ハンズ]
 日本語版に寄せて[アーシャ・ハンズ]
 イントロダクション――ジェンダーの視点で障害をとらえる枠組[アーシャ・ハンズ]

第一部 ジェンダーの視点で障害をとらえる――諸問題とその概念化

第一章 ジェンダーの視点でとらえる障害学[ウパリ・チャクラヴァルティ]
第二章 障害のある女性はこの社会でどうやって暮らしているのか?[サティシュ・B・アグニホトゥリ&アムリタ・パテル]
第三章 心理社会的障害のある女性――医学的観点から社会的観点へ[ニリカ・メーロトラ&マヒマ・ナーヤル]

第二部 経験と行為主体性

第四章 私の内側は正常だが、外側の私の身体は正常でない![マリニ・チブ]
第五章 結婚した障害のある女性――矛盾に満ちた現実[サントシ・ハルダー]
第六章 障害のある母親の育児という旅路[サンジャ・リマエ]
第七章 発達障害と家族――インド都市部における自閉症スペクトラム障害[シュバンギ・ヴァイディヤ]

第三部 差別を乗りこえるための、ジェンダーの視点からの方略

第八章 現代インドの労働と障害におけるジェンダー構造――推論と経験に基づいて[レヌ・アッドラカー]
第九章 心理社会的障害のある人の法的能力と公民権[バーガヴィ・V・ダヴァール]
エピローグ――不可視性と不透明な方向性を変えるために[アーシャ・ハンズ]

 訳者あとがき

 監訳者・訳者紹介
 編者・執筆者紹介

著者略歴

編:アーシャ・ハンズ
 アーシャ・ハンズは、インド、ウトカル大学女性学研究科元所長、政治学元教授。彼女は、女性の権利に関する多くの出版物の編集者であり、もっとも最新のものは、ベティ・レアドン(2010)と共同編集した「ジェンダーは必要不可欠」である。彼女の著書である「ジェンダー、障害とアイデンティティ(2003)」は、アニー・パトリと共同編集し、世界的に評価された大きな影響力をもつ業績である。女性の権利擁護活動家として、彼女は、国連の多くの条約の構築に参加した。インドにおける女性の権利のキャンペーンの先頭にたち、主流の女性運動に障害のある女性を含みこむ多くのキャンペーンを始めた。彼女はまた「インド障害のある女性ネットワーク」の創始者でもある。
監:古田 弘子
熊本大学教育学研究科教授
特別支援教育学専攻
【主たる著書】“Promoting inclusive education in India: Roles played by NGOs under the Sarva Shiksha Abhiyan scheme in the state of Tamil Nadu”. Journal of Special Education Research, 3(1), 15-22, 2014.

ISBN:9784750349596
出版社:明石書店
判型:4-6
ページ数:339ページ
価格:4500円(本体)
発行年月日:2020年01月
発売日:2020年02月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBS