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国際化のなかのスキル形成

グローバルバリューチェーンは雇用を創出するのか

編著:経済協力開発機構(OECD)
監訳:菅原 良
他訳:髙橋 南海子

紙版

内容紹介

グローバル化の進展に伴う生産工程の国際的な分業化(グローバルバリューチェーン)は、労働者のスキルや雇用環境にどのような影響を与えるのか。OECDによる国際成人力調査(PIAAC)や付加価値貿易データを駆使して分析・評価する。

目次

 序文
 謝辞
 要約
 用語集
 国名コード一覧

第1章 グローバルバリューチェーンの便益を獲得するスキル:本書の概要
 1.1 グローバルバリューチェーンは各国に機会と課題を投げかける
 1.2 グローバルバリューチェーンの発展は不確実である
 1.3 スキルへの投資は各国のグローバルバリューチェーンの便益獲得の一助となる
 1.4 OECD諸国の中で最も経済的・社会的にグローバルバリューチェーンの便益を受けていると思われる国はドイツ、韓国、ポーランドである
 1.5 グローバルバリューチェーンへの参加は、特にスキルが伴った場合に生産性を高める
 1.6 スキルはグローバルバリューチェーンが社会的成果に対して及ぼす不利益な影響に対抗する役割を担う
 1.7 スキルを通して競争力を高める
 1.8 認知スキルと学習レディネスはグローバルバリューチェーンのパフォーマンスにとって必須である
 1.9 各国は国民に強力なスキルミックスを身に付けさせる必要がある
 1.10 先端技術産業に特化するには期待されたレベルでパフォーマンスを発揮する労働者プールが必要である
 1.11 スキル特性が先端技術産業の需要に見合っている国は、チェコ、エストニア、日本、韓国、ニュージーランドである
 1.12 教育・訓練システムの質を向上させる必要がある
 1.13 教育・訓練機関と民間部門の強固な協力関係は非常に重要である
 1.14 成人の教育や訓練を促進するために様々な側面を向上する必要がある
 1.15 各国がより良い協力をすることで教育・訓練プログラムのデザインや財政を向上させる
 1.16 インフォーマルに取得したスキルや海外で取得したスキルの認知を向上させる
 1.17 スキル群を有効活用できる政策を促進する
 1.18 政府全体によるアプローチが必要である

第2章 スキルとグローバルバリューチェーン:利害は何か?
 2.1 各国のグローバルバリューチェーンへの関わり:事実と傾向
  グローバルバリューチェーンの発展を測る
  グローバルバリューチェーンへの各国の参加
  グローバルバリューチェーンにおける各国の位置付け
 2.2 グローバルバリューチェーン、生産性、雇用、不平等
  グローバルバリューチェーンはどのように生産性を増大させるのか?
  グローバルバリューチェーンへの参加がもたらす生産性の増大への影響を評価すること
  グローバルバリューチェーンと雇用
  グローバルバリューチェーンと各国内の不平等
 2.3 グローバルバリューチェーンを最大限に活用するための条件としてのスキル
  スキルはグローバルバリューチェーンにおける各国の比較優位を決めるのに役立つ
  スキルはグローバルバリューチェーンによる生産性の伸びを達成するのに不可欠である
  スキルは国内の企業を多国籍企業と結び付けることができる
  グローバル化による雇用の脆弱化とスキルの持つ意味
  スキルとグローバルバリューチェーンが雇用の質に対して持つ意味
 2.4 要約

第3章 グローバルな優位性を獲得するためには、どのようなスキルが必要か?
 3.1 経済行動におけるスキル
  スキルの分類法
  成人スキル調査に基づくスキル指標の構築
  各国と産業を横断するスキルパターン
 3.2 多様なスキルの必要性
  輸出実績とグローバルバリューチェーンへの参加のためのスキルの種類の多様化
  産業によって異なるスキル要件
 3.3 グローバルバリューチェーンにおける各国の産業特化の理解
  適切なスキルミックスを持つこと
  相対的スキル賦存の役割
  各国のスキル分散の役割:信頼できる労働者プールを用意すること
 3.4 特化の機会
 3.5 要約

第4章 スキル政策はどのようにしてグローバルバリューチェーンを形成しているのか?
 4.1 グローバルバリューチェーンへの参加と特化のためのスキル開発
  強力なスキルミックスを開発するための教育・訓練政策
  学習成果をより公平にするとともに、人々のスキルをより可視化する
  高等教育機関におけるアントレプレナー教育と起業支援
  中小企業におけるスキルの強化
  教育機関と民間部門とのギャップを埋める
 4.2 スキルプールの最大限の活用とスキル要件の変化の予想
  適切なマネジメント方針を持つことでスキルを最大限に活用できる
  雇用保護法制は適応や再配置を容易にする
  スキル流動性を妨げない競業避止義務
  政策はスキル要件における変化を予測することができる
 4.3 教育・訓練、イノベーションに対する国家的な協働
  グローバルな教育・イノベーション・研究ネットワークに参加すること
  社会的リターンがますますグローバル化しているときのスキル開発への投資
  移民政策と国際競争力目標を整合させる
 4.4 オフショアリングがもたらすリスクとその意味
  解雇のリスクにさらされている労働者を支援する予防政策と対処政策のバランスを見つける
  成人教育・訓練の障壁を克服する
 4.5 要約

 監訳者あとがき

著者略歴

監訳:菅原 良
東北大学大学院教育情報学教育部博士後期課程修了。博士(教育情報学)。明星大学附属教育研究機関明星教育センター特任教授。主要業績:『企業研修トレーナーのためのインストラクショナルデザイン』(ダン・チョンシー著、共訳、大学教育出版、2008年)、『構成主義的な学びのデザイン』(G.W.ギャニオン、M.コレイ著、共訳、青山ライフ出版、2015年)、『若者のキャリア形成――スキルの獲得から就業力の向上、アントレプレナーシップの育成へ〈OECDスキル・アウトルック2015年版〉』(経済協力開発機構(OECD)編著、監訳、明石書店、2017年)。
他訳:髙橋 南海子
筑波大学大学院人間総合科学研究科博士後期課程修了。博士(生涯発達科学)。明星大学附属教育研究機関明星教育センター特任准教授。主要業績:「大学生の就職活動による自己成長感の探索的検討」(共著、産業・組織心理学研究、26(2)、121-138)。

ISBN:9784750348483
出版社:明石書店
判型:B5
ページ数:200ページ
価格:3700円(本体)
発行年月日:2019年05月
発売日:2019年05月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBF