ポピュリズムの理性
著:エルネスト・ラクラウ
訳:澤里 岳史
訳:河村 一郎
紙版
内容紹介
政治理論家エルネスト・ラクラウによるポピュリズム論の金字塔的著作。ポスト・マルクス主義の政治理論を深化させ、侮蔑的に論じられるポピュリズムを政治的なものの構築の在り方として精緻に理論化。根源的、複数主義的な民主主義のために、政治的主体構築の地平を拓く。
目次
序文
第Ⅰ部 大衆への侮蔑
第1章 ポピュリズム――多義性と逆説
ポピュリズムに関する文献の袋小路
代替アプローチを求めて
第2章 ル・ボン――暗示と歪曲された表象
第3章 暗示、模倣、同一化
暴徒と社会の解体
催眠術と犯罪学
タルドとマクドゥーガル
フロイトによる突破
結論――出発点に向かって
第Ⅱ部 「人民」を構築する
第4章 「人民」、空虚の言説的産出
存在論に関する幾つかの瞥見
要求と人民アイデンティティ
等価性の冒険
敵対、差異、代表
「人民」の内的構造化
名指しと情動
ポピュリズム
補論――なぜ幾つかの要求を「民主的」と呼ぶのか?
第5章 浮遊するシニフィアン、社会的異質性
浮遊すること――シニフィアンの劫罰ないしは運命か?
異質性が登場する
第6章 ポピュリズム、代表、民主主義
代表の二つの相貌
民主主義と人民アイデンティティ
第Ⅲ部 ポピュリズムの諸形態
第7章 ポピュリズムの遍歴譚
第8章 「人民」の構築にとっての障碍と限界
オマハ綱領から一八九六年選挙での敗北へ
アタテュルクの六本の矢
ペロンの帰還
結論
ジジェク――火星人を待ちながら
ハートとネグリ――神は与え給う
ランシエール――人民の再発見
注
解説――『ポピュリズムの理性』に寄せて[山本圭(政治学)]
訳者あとがき
索引