序文
要約および政策の結論
第1章 障害関連政策の経済的背景
はじめに
第1節 経済と社会にとっての障害のある労働者の重要性
1.1 障害のある人の社会的・経済的インクルージョン
1.2 人口統計学的な諸課題と将来的な労働力供給不足に対処すること
第2節 障害のある労働者は労働市場で大きな障壁に直面する
2.1 変化する労働市場の状況
2.2 障害のある人の労働市場のアウトカムに対する経済の影響
・Box1.1 景気循環は障害のある労働者の労働市場のアウトカムにどのように影響するか
第3節 景気循環および高齢化による障害給付の受給率と受給者数の動向
3.1 障害給付受給率の動向は景気循環にどの程度影響を受けるか
3.2 障害給付受給者数の動向は高齢化にどの程度影響を受けるか
第4節 結論
付属資料1.A1 障害の定義と測定
付属資料1.A2 根拠となる補足資料
第2章 疾病・障害関連政策の主要な動向とアウトカム
はじめに
第1節 労働市場での障害のある人の不十分な統合
1.1 就業率が低い
1.2 パートタイム就労の割合が高い
1.3 失業率が高い
第2節 障害のある人の貧弱な資力
2.1 可処分所得が少ない
2.2 貧困リスクが高い
2.3 雇用されてもいないし給付も受けていない
第3節 疾病給付と障害給付のスキームに対する多額の費用
3.1 公的支出は高額となっている
3.2 受給者数が多くかつ増加してきている
3.3 受給者の年齢構造が変化してきている
第4節 給付制度にとっての好ましくない動き
4.1 障害給付への前兆としての病欠
4.2 障害給付流入率は高い
4.3 障害給付からの流出はほとんどない
第5節 結論
付属資料2.A1 根拠となる補足資料
第3章 障害関連政策改革の最近の方向性
はじめに
第1節 OECD加盟国における主要な改革動向
1.1 統合政策を拡大すること
1.2 各種団体の編成を改善させること
1.3 補償政策を厳格化すること
第2節 疾病・障害関連政策の動向:変化と一致
2.1 過去15年間での政策の変化を測定すること
・Box3.1 OECDの障害関連政策指標
2.2 政策クラスターおよび政策の一致
・Box3.2 3つの主要な障害関連政策モデル
第3節 障害給付受給者名簿への政策の変化の影響
第4節 改革の政治経済学
・Box3.3 OECD加盟国の中で特筆すべき国からの政策過程の教訓
第5節 結論
付属資料3.A1 OECDの障害者政策の類型:指標スコアの分類
付属資料3.A2 OECDの障害者政策の類型:2007年頃の国別スコア
第4章 障害給付を就業促進の手段に転換させること
はじめに
第1節 障害の査定から就労能力の査定へ
1.1 就労能力を査定すること
1.2 査定基準
第2節 就労に向けての積極姿勢への移行
2.1 就労関連活動に参加するための要件
2.2 一時給付金と健康状態の定期査定
第3節 就労が報われるようにすること:税・給付制度の改革
3.1 障害給付の適切性と寛容性
3.2 障害給付はその他の生産年齢関連給付とどのように比較されるか
第4節 結論
第5章 雇用主と医療専門家を積極的にさせること
はじめに
第1節 健康上の問題を抱えている労働者の雇用維持のための雇用主のインセンティブを強化する
1.1 健康状態を改善させる職場環境
1.2 病欠を短縮させるための疾病モニタリングと管理者の責任
第2節 雇用主がその責任を果たし得ることを確保するための措置を支援すること
2.1 雇用維持と新規採用:本質的な課題
2.2 雇用主がその責任に応じるための適切なサポートの提供
第3節 医療専門家が就労への焦点を強化すること
3.1 診療ガイドラインの整備
3.2 医療専門家のための明確な行政管理手続
3.3 診断書の体系的管理
3.4 医師のための財政的インセンティブ
第4節 結論
第6章 適切な人が適切な時期に適切なサービスを受けること
はじめに
第1節 担当機関の間での調整と協力を向上させること
1.1 給付とサービスを統合させた入口に向けて
1.2 不統一な制度を合理化すること
1.3 資金提供の責任を一致させかつ分担させること
1.4 ガバナンス:地域と地方の担当当局をモニターすること
1.5 アウトカムの測定とプログラムの評価
第2節 体系的かつ適切なやり方でクライアントと関わること
2.1 サービスの供給と需要の均衡を保つための一層の投資
2.2 問題点の早期の特定
2.3 各種サービスの適切な調整の特定
第3節 民間サービス提供者のインセンティブの向上に取り組むこと
3.1 アウトカムベースの資金に向けて
3.2 質、競争、サービスバウチャー
3.3 民間サービス提供者の問題に取り組むこと
第4節 結論
訳者あとがき
表の一覧
表1.1 仕事関連のストレスが仕事の強度を高めまた仕事の満足度を低下させている
表1.2 障害のある人の就業に対する景気循環の影響は障害それ自体の影響と比較して小さい
表2.1 就労不能関連支出は失業関連の支出よりもかなり高額である
表2.2 病欠後に障害給付を受給する可能性は人的特性によって異なる
表3.1 OECD加盟国における3つの異なる障害者政策モデル
表3.2 障害給付受給率の変化を説明するものは何か
表3.A1.1 OECDの障害者政策の類型:指標スコアの分類
表3.A2.1 OECDの障害者政策の類型:2007年頃の国別スコア
表4.1 部分的障害給付に関する規則はOECD加盟国間でかなり異なっている
表4.2 一定期間だけ障害給付を提供している国が増えてきている
表5.1 職業リハビリに関する雇用主の義務は一般的に弱い
表5.2 障害給付への経路は多様であるが、どの国でも疾病給付が主要な前兆となっている
表6.1 就業支援の受給資格基準は極めて制限的である
図の一覧
図1.1 ほとんどのOECD加盟国で生産年齢での障害発生状況が高くなっている
図1.2 障害のある人に対する社会的・経済的インクルージョンの歩みは遅れている
図1.3 障害のある人の高い参加率は労働力の減少を防止する手助けとなり得る
図1.4 障害のある人の教育水準はかなり低い
図1.5 障害のある人とない人の教育格差は年齢層集団それぞれで拡大してきている
図1.6 労働市場と労働環境の指標の動向は決定的なものではない
図1.7 不況の真只中の時期につづいて障害給付受給率が高まる傾向がある
図1.8 景気循環は障害給付受給率の変動を説明する要因のひとつにすぎず、かつそれは重要な要因でないことが多い
図1.9 障害発生状況は年齢とともに急激に拡大しており、これは高齢化の観点からは極めて重要な事
実である
図1.10 人口統計学上の変化は障害給付受給者動向の変化の一部を説明するにすぎない
図1.A2.1 就業から離脱することは精神的苦痛を高めることにつながる……
図1.A2.2 ……他方で、仕事を見つけることはメンタルヘルスを改善させる結果となる
図2.1 障害のある人の就業率は低くまた低下してきている国が多い
図2.2 メンタルヘルス問題を抱えている人の就業率は特に低い
図2.3 障害のある人が雇用されるときはパートタイムで就労することが多い
図2.4 障害のある人の失業率は好景気のときでもほぼ2倍である
図2.5 障害のある人の所得は高い教育を受け仕事に就いていなければ相対的に低い
図2.6 障害のある人は生活していくことに非常に大きなリスクがある状態かまたはほとんど貧困である
図2.7 地中海沿岸諸国と北アメリカでは障害のある失業者の多くは公的給付の受給資格がないかまたは資格があっても受給していない
図2.8 職業リハビリと雇用のプログラムに向けられる障害関連財源は限定されている
図2.9 多くの国で障害給付受給率は高くまた増加してきている
図2.10 障害給付の振幅は政策の選択を反映してOECD加盟国で異なる展開を示してきている
図2.11 メンタルヘルス問題を理由とする障害給付流入率が増加してきている
図2.12 病欠率は障害給付受給率に関連している
図2.13 かつて疾病給付を受給した経験から来る給付金に対する魅力が障害給付申請の可能性を高める
図2.14 病欠の縮減は一般的に障害給付申請のそれに先行する
図2.15 最近障害給付への流入率を低下させることに成功してきている国もある
図2.16 就業のために長期障害給付を放棄する人はほとんどいない
図2.A1.1 1990年代の障害給付支出の動向は低下しているが、近年は微増している
図2.A1.2 障害給付受給率の水準と動向は50?64歳の年代が顕著である
図2.A1.3 現在では女性のほうが男性よりも障害給付を受給している国もある
図2.A1.4 各国の障害給付流入率の年齢パターンに大きな変動がある
図3.1 OECD加盟国での障害関連政策の方向性は大きく変動してきている
図3.2 障害関連政策は多くのOECD加盟国で急速に変化してきている
図3.3 障害関連政策は同じ方向で一致してきている
図4.1 OECD加盟国の多くで障害給付申請の半分以上が却下されている
図4.2 純代替率は特にかつての低賃金所得者が高くなっている
図4.3 障害給付は社会福祉関連給付よりも高額であるが失業給付と同水準である
図4.4 就労を開始することは必ずしも報われないが国ごとでの違いは大きい