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早稲田大学エウプラクシス叢書 42

難民問題の「恒久的解決策」を問い直す

人間の安全保障の実践

著:山本剛

紙版

内容紹介

紛争や迫害により故郷を追われた人は2022年に1億人を超え、難民の数はこの10年間で2.5倍となった。国連機関は「恒久的解決策」の実現を目標に掲げ最前線の現場で人道支援に奔走しているが、なぜ恒久的な解決にむかうことなく避難生活を強いられ続けているのだろうか。本書はこの問題意識に基づき人間の安全保障の視座から恒久的解決策を問い直すものである。世界最多の難民出身国であるシリアの難民問題と、世界最多の難民受け入れ国のトルコを含む三つの一次庇護国を事例として分析していく。脆弱性の高い難民の保護の緊急性や重要性にくわえ、能力強化、それも難民受け入れ国や社会との社会的結束を築き生活を再建するための能力強化の必要性と可能性を提示する。

目次

【目次】

まえがき
あらすじ
序 章 難民問題および難民支援の諸相
第1章 シリア危機と難民問題
第2章 トルコにおけるシリア難民支援
第3章 レバノンにおけるパレスチナ難民支援
第4章 レバノンにおけるシリア難民支援
第5章 ヨルダンにおけるシリア難民支援
第6章 国際難民保護レジームの考察
終 章 恒久的解決策を問い直すことでみえてきたもの

追録―ウクライナ難民問題に寄せて―
あとがき 

著者略歴

著:山本剛
早稲田大学地域・地域間研究機構アジア・ヒューマン・コミュニティ研究所招聘研究員。1980年生まれ。2021年、早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了(社会科学博士)。これまで特定非営利活動法人(認定NPO)パレスチナ子どものキャンペーン理事や東京電機大学未来科学部非常勤講師を務めた他、独立行政法人国際協力機構(JICA)在職中。専門は国際関係論、国際協力論。

ISBN:9784657238061
出版社:早稲田大学出版部
判型:A5
ページ数:288ページ
定価:4000円(本体)
発行年月日:2023年09月
発売日:2023年09月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS