早稲田大学エウプラクシス叢書 41
中国武術の競技化
日本での普及と武術性への影響
著:劉暢
内容紹介
中国武術は競技性の発展に伴い国際的なスポーツとなり、現在は158カ国・地域に普及している。日本では1960年代後半に太極拳の広がりが契機となり、日本武術太極拳連盟を中心に競技大会、技術研究会、審判研修会などが行われ、中国武術の普及がみられた。中国武術が軍隊から省かれた背景、中国で「国術」と呼称された経緯、西洋スポーツの影響など時代の変遷との関わり、競技大会の歴史と競技ルールの制定・改定の過程、日本における中国武術の受容と普及について丁寧によみとく。そして、中国武術の実用性(武術性)の変容を考察し、競技武術の将来を展望する。
目次
序 章 中国武術の展開と変容
第一節 中国武術の展開――軍隊から民間へ
第二節 武術性の減退――競技武術の問題
第三節 本書の課題
第四節 先行研究
第五節 史・資料について
第一章 中国における競技武術の台頭と発展――一九〇〇~一九四九
第一節 近代中国における西洋スポーツの受容
第二節 新文化運動の洗礼
第三節 中国武術の競技化の台頭
第四節 中央国術館の成立――国術の始まり
第五節 国術と西洋スポーツの融合
第二章 中華人民共和国における競技武術の成立と変容――一九四九~二〇二二
第一節 新中国成立後の武術活動
第二節 武術の性質および発展方向に関する議論
第三節 套路競技の制定および発展
第三章 日本における中国武術の受容と普及――一九〇〇~一九七二
第一節 二〇世紀初頭における中国武術の受容
第二節 一九二〇年代から終戦までの中国武術の受容
第三節 中国武術の初来日――一九四〇年の東亜武道大会と東亜競技大会
第四節 日中国交回復(一九七二年)までの中国武術の受容
第四章 日本における競技武術の過去と現在――一九七二~二〇二二
第一節 競技武術の初来日――ピンポン外交の延長
第二節 太極拳の流行と全国大会の開催
第三節 日本における中国武術界の再統合
第四節 国際大会における日本選手の活躍
第五節 競技武術の国際化と武術性
終 章 中国武術の将来――武術性と競技性の相克
第一節 研究の総括
第二節 套路競技の武術性と課題
第三節 展望――中国武術の将来
ISBN:9784657238054
。出版社:早稲田大学出版部
。判型:A5
。ページ数:324ページ
。定価:4000円(本体)
。発行年月日:2023年06月
。発売日:2023年06月23日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:SR。