序 章 国民国家の変容とシティズンシップ教育
1 問題の所在
2 社会的包摂とシティズンシップ教育
第1章 社会的包摂/排除と実質的シティズンシップ
1 シティズンシップの概念の変容
2 近代国家におけるシティズンシップ教育
1 新自由主義と社会正義の混在
2 共同体主義的性格
3 実質的シティズンシップ
1 地位としてのシティズンシップ
2 帰属感としてのシティズンシップ
3 実践としてのシティズンシップ
4 まとめ――実質的側面が示唆するもの
第2章 イングランドのシティズンシップ教育
1 シティズンシップ教育の系譜
1 1970年以前――政治教育の不在
2 1970年代――政治的リテラシー教育運動の興隆
3 1980年代――ワールド・スタディーズと「新しい教育」
4 1988年〜1990年代――保守党政権とシティズンシップ教育
5 1997年〜2010年代――労働党政権による導入
2 労働党政権におけるシティズンシップ教育
1 枠組みと背景
2 実質的要素からみる排除性と包摂性
3 シティズンシップ教育がはらむ排除性
コラム1 イングランドの教育制度
第3章 シティズンシップ教育と社会的剥奪――3つの小学校の事例から
1 小学校におけるシティズンシップ教育
1 現場の裁量に委ねた導入
2 小学校での実施
2 ヨーク市の3つの小学校での調査から
1 調査の概要
2 3校の実施状況
3 教員はシティズンシップをどう捉えているのか
3 実践例の検討
1 C小学校――児童会と民主主義学習
2 A小学校――社会的剥奪度の高い地域の学校の取り組み
4 ニーズへの対応と実質的参加からの排除
コラム2 イングランドで教員になるには?
第4章 ナショナル・アイデンティティをめぐる問題
1 シティズンシップとナショナル・アイデンティティ
1 包摂的アイデンティティとしての英国人性
2 人種主義に対する懸念
3 コミュニティの多層性
2 J中等学校――ナショナル・アイデンティティの学習
1 シティズンシップ教育の概要
2 単元「英国人性」
3 多文化主義をめぐる葛藤
3 文化的多様性と学校の取り組み
コラム3 教員の社会的地位は
第5章 学校における民主主義
1 G小学校――子ども参加型の学校づくり
1 G小学校のシティズンシップ教育
2 「生徒の中の投資家」の取り組み
3 意義と可能性
2 L中等学校――包摂的な学びを目指して
1 L中等学校のシティズンシップ教育
2 参加を促進するネットワーク
3 民主的参加からの排除の克服
コラム4 教員の給与
第6章 包摂的シティズンシップ教育のアプローチ
1 排除性の克服
1 シティズンシップ教育の課題
2 ナショナル・アイデンティティ探求の意義と問題点
3 民主的参加へのストラテジー
2 包摂的シティズンシップ教育を目指して
1 アイデンティティの承認と排除
2 私的領域への介入と価値教育
3 排除性を乗り越えるために
コラム5 アシスタント教員
終 章 排除性の克服と社会的包摂
1 社会的排除を乗り越える方策
2 排除性克服の条件
3 シティズンシップ教育の可能性
4 おわりに
あとがき
引用文献一覧
索 引
英文要旨