想像する身体 下巻
身体の未来へ
編:安井眞奈美
編:ローレンス・マルソー
内容紹介
感染症、胎児観、中国医学、境界としての身体、セクシュアリティ、社会と身体、科学技術の発展――人文・社会科学と自然科学の叡智を結集した、国際日本文化研究センター共同研究「身体イメージの想像と展開―医療・美術・民間信仰の狭間で」の成果出版。既存の身体イメージを問い直し、次代を生きる身体の可能性を提示する。
目次
はじめに――身体の未来へ 安井眞奈美、ローレンス・マルソー
【第Ⅰ部 表象される身体・セクシュアリティ】
1章 近世日本の絵入文学における身体像――形と希望 ローレンス・マルソー
2章 自然を男女になぞらえる――宮負定雄「陰陽神石図」と平田国学を中心に
石上阿希
コラム 狸と精神 井上章一
ディスカッション 「性器崇拝」の時空間――「狸の金玉」を中心に
井上章一、安井眞奈美、ローレンス・マルソー
コラム 武術の極意を自然現象に喩える 山田奨治
3章 布・衣服との関係からみる奪衣婆信仰の展開 坂 知尋
コラム 広告としての「少女」の身体
――ポスター《森永ミルクチョコレート》(一九三七年)を手がかりに 前川志織
【第Ⅱ部 社会を動かす身体】
1章 近代日本における身体障害の表象――盲・聾・唖のイメージをめぐって
木下知威
2章 音楽を纏う身体――近代精神科医療における音楽療法実践をめぐって 光平有希
3章 戦時下の国民身体管理と産婆会――人的資源確保政策を中心に 阿部奈緒美
4章 松本清張の小説における殺人犯罪と「法医学」 金 容儀
5章 使い分けられる身体――虚偽の出家主義と僧侶の妻帯 川橋範子
コラム スポーツ空間の形状と身体――「逃げ場」を巡る丸と四角 田里千代
【第Ⅲ部 未来を築く身体】
1章 産む身体の諸相――リプロダクションのコンテクストをめぐって 松岡悦子
2章 医療の中の死者と身体――病院における死後の処置を通して 中本剛二
3章 認知症診療における身体イメージの創出
――画像診断によるアルツハイマー型認知症の描出と実体化 倉田 誠
4章 視覚による身体のイメージと制御
――自己運動感覚と姿勢制御に関する心理実験からの考察 蘆田 宏
インタビュー バーチャルミュージアムによって拡張される身体
伊藤 謙、五十里翔吾、武澤里映、布施琳太郎
結語にかえて――未来を生き抜く<身体>の可能性へ
安井眞奈美、ローレンス・マルソー
共同研究会一覧・索引・執筆者一覧
ISBN:9784653046325
。出版社:臨川書店
。判型:A5
。ページ数:334ページ
。定価:4300円(本体)
。発行年月日:2022年12月
。発売日:2023年01月16日。