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東アジア伝統医療文化の多角的考察

他編:大形徹
他編:武田時昌
他編:平岡隆二

紙版

内容紹介

中国伝統医学は、早期治療、予防医学または長生術、養生法、美容術といった多方面の研究に取り組み、道教、仏教、術数学と相互連関することでユニークな文化複合体を形成した。本書では、文理横断的な視点において具体的様相を探り、東アジア世界に開花した医療文化の構造的把握に挑む。京大人文研拠点共同研究の成果論文集。

目次

刊行の辞(武田時昌)
一 中国医薬学の諸相
第1 章 疫と疫鬼と方相氏 大形 徹
第2 章 『正統道蔵』所収『急救仙方』に記載される「腹の虫」―日本,中近世の鍼灸流儀書への影響をめぐって― 池内早紀子
第3 章 本草書の虎にみえる説話的要素 小山 瞳
第4 章 五味・五臓と季節―『遵生八牋』から考える― 清水浩子
第5 章 中国伝統医療文化における“鍼灸”と“美容”の共生 王 財源
研究ノート 房中文献より見る『僧尼孽海』成立小攷 永塚憲治
二 日本医道の遡及的考察
第6 章 日本中世社会における針灸治療の実態 島山奈緒子
第7 章 古医書を伝えた人々―中世和気氏の学問的系譜― 武田時昌
第8 章 宋代点茶における芽茶の毛(毛茸)による白色の泡の茶と日本的展開―茶筅の起源の問題を含めて― 豊田裕章
第9 章 日本に伝えられた陸羽伝―五山版『隆興仏教編年通論』陸羽・皎然・道標伝について― 岩間眞知子
研究ノート 研医会図書館所蔵の江戸以前眼科書について 安部郁子
三 東アジアにおける医書の伝播
第10 章 朝鮮時代の医書と『活人心』 劉 青
第11 章 『東医宝鑑』の日本への伝播と波及 吉村美香
第12 章 中世イスラム医学の焼灼と『回回薬方』の焼灼―イスラム医学の東アジアへの伝播についての一考察― 尾崎貴久子
四 鍼灸医術の日本的展開
第13 章 道三流の七表八裏九道脈と対脈―現代と比較して― 熊野弘子
第14 章 粕谷流の流儀書について 松木宣嘉
第15 章 宮本流経穴学とその伝承 加畑聡子
五 近代医学のなかの東洋伝統医学
第16 章 21 世紀の国際標準化が伝統医学にもたらすもの―俯瞰する視点と範疇構造規格の可能性― 東郷俊宏
研究ノート 安保徹の世界 其壱―「こころ」と「からだ」をつなぐ健康学― 渡邉真弓,富山智香子
研究ノート 安保徹の世界 其弐―「百寿者」を免疫学から考える― 富山智香子,渡邉真弓
研究ノート 北里柴三郎「医道論」と東洋思想 水野杏紀

ISBN:9784653045762
出版社:臨川書店
判型:B5
ページ数:424ページ
定価:13000円(本体)
発行年月日:2024年02月
発売日:2024年03月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDHC