オンデマンド版
中世寺院勢力論
悪僧と大衆の時代
著:衣川 仁
紙版
内容紹介
中世社会に大きな影響を及ぼした寺院は、いかにして社会性・政治性をもつに至ったのか。「大衆」という僧侶集団を通して寺院内部の権力構造を解明し、外部に向けて行使された武力と呪力について、その要因や機能、支えた論理を検討。最大勢力を誇った比叡山延暦寺を中心に、武力統制と秩序維持、平和機能の一端を担った中世寺院の歴史的意義を探る。
目次
序章(寺院勢力研究の課題/本書の視角と構成)/第一部=中世延暦寺の権力構造と大衆(中世前期の延暦寺大衆〈山門の支配機構/院家の成立と門流/悪僧と大衆/「満山」大衆の確立―むすびにかえて―〉/中世延暦寺の門跡と門徒〈三門跡の成立過程/「門跡相承」の構造/門跡と門徒〉/「堂衆退散」と延暦寺の平和〈延暦寺の堂衆と堂衆阿闍梨/門跡による住山者編成/「堂衆退散」の歴史的意義〉/閉門・閉籠と鎌倉期の延暦寺大衆〈「満山」大衆の確立と閉門/鎌倉期延暦寺大衆の内部矛盾/集会事書と大衆〉)以下細目略/第二部=中世寺院の武力・呪力と社会(中世前期の権門寺院と武力/強訴考/院政期の密教修法と法験/〈呪術〉性の展開と中世仏教)