平安時代辞書論考
辞書と材料
著:大槻 信
紙版
内容紹介
文学・歴史研究において、古辞書は語彙をさぐる重要な役割を果たしてきた。平安時代成立の『新撰字鏡』『倭名類聚抄』『類聚名義抄』を中心に、辞書が成立するための、材料となる先行の辞書類等との関係性を追究。辞書全体の仕組みと性格を押さえつつ、書写される度に変化し続けるその特徴を捉える。古辞書を体系的に把握し、その本質に迫る意欲作。
目次
はじめに/概論(古辞書を使うということ〈『源氏物語』の形容詞/古辞書利用の問題点/『竹取物語』の「よ」/『古今和歌集』の「ほのかに」/『今昔物語集』の「繚」〉/平安時代の辞書についての覚書〈平安時代の辞書/辞書の日本化/古辞書の研究/古辞書を使う/今後の課題〉)/各論(古辞書と和訓―『新撰字鏡』〈臨時雑要字〉 〈問題提起/古辞書と和訓/『新撰字鏡』と材料/『新撰字鏡』と不統一/臨時雑要字〉/『倭名類聚抄』の和訓―和訓のない項目〈辞書と類書/古辞書の和訓/古辞書と本文主義/『倭名類聚抄』の項目の作られ方/和訓の典拠/和訓のない項目〉以下細目略/図書寮本『類聚名義抄』片仮名和訓の出典標示法/辞書と材料―和訓の収集)/解題・凡例(平安時代辞書解題/図書寮本『類聚名義抄』凡例)/参考文献一覧