はじめに
第一部 「史料」とは何だろう?
第一講 史料とは何か① 歴史と史料の関係
史料にはどんなものがあるか
歴史にはどんなものがあるか―歴史と史料の相互関係
史料の区分
史料から情報を引き出すには―「6W1H」ということ
史料を観察する
具体的な史料の例
第二講 史料とは何か② 史料をめぐる「統一理論」
植物は史料か
植物と人間の関係史
動物は史料か―「豚に歴史はあるか」
個体としての動物は史料か
物としての史料と伝承としての史料
物としての史料と文字としての史料
史料情報を整理する―「物」情報・「伝来」情報・「機能」情報
史料が「物」でない場合
【補論】「史料」と「資料」
第三講 史料とは何か③ 不在史料論の試みと視点・史観の問題
存在するものだけが史料なのだろうか?
残された物の意味
史料の偏在性
史料学的見地からの史料の総体
「不在史料」というもの
「戦争が巨木を伐った」
凹み、マイナスとしての「不在史料」
視点と史観の問題―「通時的視点」と「共時的視点」
第二部 さまざまな史料を研究する方法と視点
第四講 絵画史料① 洛中洛外図屏風における「6W1H」
史料としての絵画
絵画史料における「6W1H」
洛中洛外図屏風「歴博甲本」を読み解く
何が描かれているか―地理的な情報
「レイヤー(層)」としての歴史、洛中洛外図屏風における「when」の問題
景観年代の上限と下限
制作の目的と制作年代
絵の作者
絵画の制作事情―描かれた目的(Why)と発注者(Whom)
第五講 絵画史料② 洛中洛外図屏風における「Why」と「Whom」―初期洛中洛外図屏風の制作事情と系譜
絵画の制作事情―描かれた目的(Why)と発注者(Whom)(続)
「東博模本」
「上杉本」
「歴博乙本」
洛中洛外図屏風相互の関係を考える
「相国寺塔上からの絵」という仮説
初期洛中洛外図屏風の系譜関係
「写本」としての史料
【補論】写真の精度と研究史―技術による史料の発見
第六講 絵画史料③ 洛中洛外図屏風における「Why」と「Whom」(続)―近世の洛中洛外図屏風など
近世の洛中洛外図屏風―岩佐又兵衛「舟木本」とその影響
「舟木本」
暴力的な風俗(バイオレンス)を好む時代相―「大坂夏の陣図屏風」
「江戸名所図屏風」と「江戸図屏風」
将軍が見たい京都―「権力者(統治者)とその都市」
洛中洛外図屏風の大衆化
【事例研究】「月次祭礼図屏風」とその制作目的 付、絵画の復元について
【補論】史料としての文学作品―「雛飾り」の歴史性
第七講 絵画史料④ 絵の中の人と風俗
描かれた人物を読み解く
人物データベースの項目
人物像の例―武家か公家か
持ち物に見る時代の変遷
後家尼編年
史料(資料)を見る視点
【補論1】風俗図屏風の予祝性―「月次風俗図屏風」から
【補論2】絵の形態(媒体、メディア)による違い
第八講 文字史料① 文字で書かれた史料とその機能
文字で書かれた史料にはどんな物があるか
一次史料と二次史料、文書・記録・編纂物
「文書」の例―卒業証書
卒業証書の様式と印
文字について考える
漢字をどう読むか
「当時の読み方」の問題
「方言周圏論」という原理
文字史料のもつ情報
【補論】言葉の初見年代―「サオトメ」はいつから?
第九講 文字史料② 文書の様式の歴史(一)
日本の文書史の流れ
文書の構成要素
文書史を通史的に見る
【補論】文書の書き方・作り方
第十講 文字史料③ 文書の様式の歴史(二)
文書史を通史的に見る(続)
【補論1】「当時の読み方」問題
【補論2】古文書の定量的な研究
第十一講 文字史料④ 一次史料・二次史料の問題
文字史料の特性―文章の検討
「桶狭間の戦い」の史料
二つの信長伝
「桶狭間の戦い」について
「信長公記」と「甫庵信長記」を比較する
史料としての性格(信憑性)―「史料性(事実性)」と「文学性(創作性)」のグラデーション
文字史料における「事実」
【補論1】「甫庵信長記」の影響とそれへの批判、および信長の「勝因」
【補論2】暦・時刻と共時的理解
第十二講 フィールドの史料① 制札、帳簿、荘園文書
文字史料の「どこで」
制札―「物」としての文書
帳簿とフィールド―僧侶の旅の支出帳簿
「荘園文書」と現地
【補論1】史料のライフサイクル
【補論2】機能するニセモノ(偽文書)
第十三講 フィールドの史料② 地図、絵図、地域での史料の総合化
レイヤー(層)としての歴史と地図・絵図
新旧の地形図
ベースマップとしての地形図
地籍図―地名と地割
地籍図から分かること
フィールドの史料を総合的に考える―滋賀県東南部の村と水利と祭礼から
現地と遺物・文書―金森の事例
伝承・祭礼と地域史
【参考図書・Webサイトの紹介】
第十四講 フィールドの史料③ 考古学と民俗学の方法と視点
考古学の方法
遺物と遺構―形態編年と層位
遺跡に見る歴史の重層性
民俗学の方法と視点
民俗学の対象
「姥が池」の伝説
考古学・民俗学と社会史
【事例研究】城郭遺跡と絵図―村上城
第三部 史料と歴史像
第十五講 歴史はどう表現できるか―史料と歴史
再び、史料とは何か
史学史的な背景
「国の歴史博物館」に見る歴史観と歴史叙述
押し付けない展示のモデル―史料を元に一緒に考える、過程を共有する
歴史観と史料の問題をめぐって
開かれた歴史像
【補論】史料と文化財
あとがき
図版一覧