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御成敗式目ハンドブック

監:日本史史料研究会
編:神野 潔
編:佐藤 雄基

紙版

内容紹介

執権北条泰時らが編纂した鎌倉幕府の基本法典「御成敗式目」。1232年に施行されたこの最初の武家法典を、制定過程や目的、研究史などから全体像をとらえ直す。51箇条より主要条文を選び、分かりやすく解説を加えて式目が実際にどう実践されたのかを読み解く。法の視座から当時の権力・訴訟・犯罪などの実態に迫る。巻末に現代語訳を付す。

目次

序…神野 潔

総論 御成敗式目とは何か
 一 御成敗式目の制定過程とその目的…神野 潔
  1 式目の制定過程
  2 式目の体裁
  3 式目成立の背景と目的
 二 御成敗式目と鎌倉幕府法の構造…佐藤雄基 
  1 式目の条文配列
  2 五十一ヵ条の内容
  3 式目は何を定めた法なのか
  4 式目と「追加」     
 三 御成敗式目の受容史・研究史…佐藤雄基
  1 後世の式目「受容」
  2 近代―御成敗式目の研究史 
  3 式目注釈書の研究史

コラム 「抄物」には何が書かれていたのか…佐藤雄基 

第Ⅰ部 御成敗式目から見る権力のかたち―幕府・権門・御家人
イントロダクション…佐藤雄基
 一 式目三~五条 守護と地頭―鎌倉幕府と荘園公領制…佐藤雄基
  1 守護と御家人制―鎌倉時代の守護とは何者か
  2 第五条 地頭と本所―年貢をきちんと納めるように          
  おわりに
 二 式目六・三十・四十七条 権門と法圏―幕府「裁判管轄」の意図と現実…黒瀬にな
  1 中世社会の多元性と「法圏」の分立
  2 幕府裁判権の外縁
  3 鎌倉後期の状況、およびこれからの研究
 三 式目七条 不易法―政治と訴訟との関わりから…下村周太郎
  1 第七条と巻首
  2 訴訟当事者にとっての第七条
  3 不易法と幕府政治史の展開

コラム① 御成敗式目四十二条の法的位置…木村茂光 
コラム② 御成敗式目一・二条を仏教思想から考える…生駒哲郎 
 
第Ⅱ部 中世の人びとは何を争ったのか―犯罪と財産相続
イントロダクション…神野 潔
 一 式目九~十五・三十二~三十四条 罪と罰…渡邉 俊
  1 重罪視された犯罪
  2 どのような刑罰が科されるのか?
  3 ユニークな罪
 二 式目十八・二十・二十六・二十七条 悔返と未処分…神野 潔
  1 御家人と相続
  2 悔返の諸相
  3 未処分について

コラム 密懐と辻捕―御成敗式目三十四条の背景…野村育世
 
第Ⅲ部 どのように裁判を行ったのか―裁判手続と文書
イントロダクション…佐藤雄基
 一 式目三十五条 召文違背の咎―幕府裁判と社会との接点を読み解く…工藤祐一
  1 召文違背とはなにか
  2 式目以前―式目三十五条の歴史的前提
  3 式目三十五条の制定と運用実態
 二 式目五十一条 問状と裁判手続…木下竜馬
  1 問状、問状狼藉とはなにか
  2 当事者主義
  3 問状と裁許状とのあいだ
  4 双面性、片面性

コラム 和与をめぐる理解の現状…西村安博
        
附録 「御成敗式目」 現代語訳
あとがき…佐藤雄基

ISBN:9784642084475
出版社:吉川弘文館
判型:4-6
ページ数:316ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2024年03月
発売日:2024年03月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LAZ