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検証 奈良の古代仏教遺跡

飛鳥・白鳳寺院の造営と氏族

著:小笠原 好彦

紙版

内容紹介

古代に都がおかれ、東アジア諸国の文化・情報を受容する拠点であった奈良。日本最古の寺院の飛鳥寺、百済大寺と呼ばれた吉備池廃寺、新羅の感恩寺を模した本薬師寺…。飛鳥・白鳳時代の25寺院などを、発掘成果と『日本書紀』などを検証し、平易に紹介。古代の有力氏族が建立した寺院跡の所在地と瓦類から有力氏族相互の政治・経済関係に言及する。

目次

飛鳥時代の古代寺院
 飛鳥寺跡―日本最古の寺院の造営と一塔三金堂式伽藍―
 豊浦寺跡―高句麗系の瓦を葺く蘇我氏の尼寺―
 法隆寺若草伽藍跡―厩戸皇子が斑鳩宮の西に建立した伽藍―
 坂田寺跡―飛鳥寺の仏像を造った渡来系氏族の尼寺―
 奥山久米寺跡―上宮王家とつながる蘇我氏傍系氏族の氏寺―
 平隆寺跡―上宮王家と関係のある平群氏の氏寺―
 中宮寺跡―上宮王家が建立した尼寺―
 巨勢寺跡―蘇我氏とつながりをもつ巨勢氏の氏寺―
 檜隈寺跡―東漢氏による特異な伽藍と安芸国との関係―
 吉備池廃寺―舒明天皇が建立した百済大寺―
 山田寺跡―特徴ある金堂と伊賀の夏見廃寺での導入―
 
白鳳時代の古代寺院
 二光寺廃寺・朝妻廃寺―東漢氏の一族が建立した渡来系氏族の氏寺―
 川原寺跡―天智天皇建立の国家的伽藍と山背・近江の寺―
 大官大寺跡―藤原京に建立した国家の大寺―
 ドドコロ廃寺―大和東北部に建立された渡来系氏族の氏寺―
 古市廃寺―大和東北部に建てられた小野氏の氏寺か―
 紀寺跡(小山廃寺)―造営年代と氏族を考える―
 尼寺廃寺―紀氏が平群の地に建立した氏寺か―
 粟原寺跡―中臣大嶋が草壁皇子のために建立した寺院―
 膳夫寺跡―膳氏が藤原京に新たに建立した氏寺―
 久米寺跡―興福寺の前身寺院・厩坂寺説の検証
 軽寺跡―飛鳥の西端にあった衢と軽寺―
 本薬師寺跡―新羅の感恩寺を模した藤原京の寺院―
 加守廃寺―六角堂基壇の謎―
 荒坂瓦窯跡・牧代瓦窯跡―古代寺院の屋瓦を焼いた官営瓦窯―

著者略歴

著:小笠原 好彦
1941年、青森市生まれ。1966年、東北大学大学院文学研究科修士課程修了。奈良国立文化財研究所主任研究官、滋賀大学教授、明治大学大学院特任教授を経て、現在、滋賀大学名誉教授・博士(文学) ※2022年12月現在
【主要著書】『日本古代寺院造営氏族の研究』(東京堂出版、2005年)、『大仏造立の都 紫香楽宮』(新泉社、2005年)、『聖武天皇が造った都』(吉川弘文館、2012年)、『古代豪族葛城氏と大古墳』(吉川弘文館、2017年)、『検証 奈良の古代遺跡』(吉川弘文館、2019年)、『古代近江の三都』(サンライズ出版、2021年)

ISBN:9784642083904
出版社:吉川弘文館
判型:A5
ページ数:200ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2020年11月
発売日:2020年10月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ-JP-E