悪党召し捕りの中世
鎌倉幕府の治安維持
著:西田 友広
紙版
内容紹介
中世において「悪党」と呼ばれる人々が、朝廷・幕府や荘園領主と敵対し、召し捕りの対象とされた。鎌倉中期以降、朝廷・幕府に悪党を訴える訴訟が多く提起され、荘園領主や地域社会も独自の治安維持機能をもって悪党と対峙した。犯罪者を逮捕・処罰する「検断」の実態を探り、自力救済が前提の中世社会を治安維持から追究。悪党の実像に迫る。
目次
はじめに―中世人はいかに治安を維持したか/鎌倉幕府の成立と内乱後の新体制(治承・寿永内乱以前の治安維持体制/鎌倉幕府の成立/内乱後の新体制と朝廷/内乱後の新体制と鎌倉幕府)/鎌倉幕府の成長と治安維持体制(地頭のいる土地、いない土地/幕府の治安維持体制の整備/守護と守護所)/悪党召し捕りの構造(弘長の治安維持政策強化/モンゴル襲来と悪党対策の強化/権益争いの発生と外部勢力/悪党召し捕りの構造の成立)/悪党召し捕りの流れ(悪党は誰だ/幕府の審理/御家人の出動/悪党の処分)/悪党召し捕りの時代(相次ぐ悪党鎮圧令/錯綜する社会状況/文保・元応の悪党召し捕り/悪党の実像)/悪党召し捕りの行方(鎌倉幕府の到達点/鎌倉幕府の限界/建武政権から室町幕府へ)/おわりに―変化する治安維持体制/年表