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日本幼児史

子どもへのまなざし

著:柴田 純

紙版

内容紹介

古来、子どもは大人優先の社会で無頓着に扱われ、疎外される存在だったが、江戸時代の半ばから、「子宝」として大切に保護された。幼児への認識はなぜ大きく変化したのか。その社会的・思想的背景を探る。また、民俗学の通説「七歳までは神のうち」は、近代の俗説にすぎず、伝統的心性とは無縁なことを実証。これまでの幼児・子ども観を見直す。

目次

新たな幼児観をさぐる―プロローグ/法のなかの幼児(疎外される幼児〈律令にみえる七歳/神事の円滑な挙行/七歳の中は尊卑只同事なり/裸で描かれた幼児/儀礼の円滑化〉/近世服忌令と幼児〈近世武家服忌令/服忌令の成立事情/紀州藩の明律研究/七歳以下は智も力もなし〉/服忌令と明律の浸透〈出版書の中の服忌令/日常の中の服忌令/特権化する七歳/七歳以下は絶対責任無能力者〉)/疎外から保護へ(古代・中世の幼児〈大人優先の社会/古代の捨子/高僧の霊験譚/犬に育てられる幼児/記録されない捨子/外国人のみた捨子/捨子に無関心な社会/捨子が記録されないわけ/松尾芭蕉と捨子/人の問題は人が解決すべし/幼児はとりかえのきく存在〉以下細目略/幼児保護観念の成立/保護される捨子/俗説〝七つ前は神のうち〟の成立)/幼児観はなぜ変わったのか―エピローグ

ISBN:9784642080835
出版社:吉川弘文館
判型:4-6
ページ数:208ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2012年12月
発売日:2012年12月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC