歴史文化ライブラリー 446
列島を翔ける平安武士
九州・京都・東国
著:野口 実
紙版
内容紹介
中世武士は地方の所領に根を下ろすイメージが強いが、実際には北は陸奥から南は薩摩まで列島間を移動していた。京都や東国と関わりを持ちつつ、九州で活動した中世成立期の有力武士団を取り上げて実態を検証。在京活動のなかで各地から出仕してきた傍(ほう)輩(ばい)とのネットワークを築き、様々な情報を得て果敢に活動の空間を広げた武士たちの姿に迫る。
目次
武士は移動する―プロローグ/京都下りの飽くなき収奪者 藤原保昌(冷酷非道な日向守/「兵家」黒麻呂流藤原氏/中央権門と大宰府)/大宰府の武者 平為賢と平季基(東国から鎮西へ/刀伊の入寇/南九州に進出する府官たち/もうひとつの長元の乱)/南島交易と摂関家の爪牙 阿多忠景と源為朝(肥前と薩摩/河内源氏の九州進出/島津庄の発展/平家政権と南九州)/九州に進出する幕府御家人 千葉常胤と島津忠久(源頼朝の挙兵と千葉氏/鎮西守護人千葉常胤/東海道大将軍千葉常胤/鎌倉幕府の成立と南九州/島津氏の成立)/武士の列島展開と京都(京都七条町の成立と殷賑/地域間ネットワークの広がり)/グローバリズムの時代を生きた武士たち―エピローグ/略年表