歴史文化ライブラリー 416
タネをまく縄文人
最新科学が覆す農耕の起源
著:小畑 弘己
紙版
内容紹介
狩猟採集や漁撈で生活していたとされる縄文人。だが、粘土をこねて土器を成形する際に紛れ込んだダイズや貯蔵食物害虫のコクゾウムシがその常識を打ち破った。土器表面や断面の痕跡の新しい分析法から、イネやダイズの栽培開始時期を特定。土器粘土の中に眠っていた考古資料「タネ」「ムシ」が指し示す、多様で豊かな縄文時代の実像に迫る。
目次
想定外の発見―プロローグ/ダイズと縄文人(縄文ダイズの発見と立証/列島のマメ栽培と拡散)/縄文人は豊かな狩猟採集民か(「豊かな狩猟採集民」論争/縄文時代の栽培植物)/コクゾウムシと縄文人(昆虫と害虫/遺跡出土の昆虫と研究法/コクゾウムシから見た縄文人の暮らし)/イネはいつ日本にやってきたのか(大陸系穀物の起源地/朝鮮半島から日本列島へ/圧痕資料から見た九州後・晩期農耕論)/圧痕法が明らかにしたもの(圧痕法とその歴史/圧痕は何を残しているのか/圧痕法のイノベーション)/草原での農耕が語るもの―エピローグ