歴史文化ライブラリー 357
山城国一揆と戦国社会
著:川岡 勉
紙版
内容紹介
応仁の乱より続く畠山義就と政長の抗争に対し、山城南部の国人らが中核となって両軍の撤退を求め、自治支配を実現した山城国一揆。いかにして国一揆は起き、どのように収束していったのか。幕府・守護・国人など諸階層の複雑な動きと、それを取り巻く政治・社会状況、舞台となった山城地域の特質を結びつけて立体的に考察。その実態に迫る好著。
目次
国一揆とは何か―プロローグ/国一揆の舞台(荘園の広がりと国人・百姓/水陸交通の発達と土一揆/被官関係の展開と南山城の住民/室町幕府―守護体制と山城国守護)/国一揆が起きるまで(室町幕府―守護体制の変質と南山城地域/応仁の乱の勃発と南山城地域/乱後の南山城地域)/国一揆はどのように成立したか(両畠山方の対陣/両畠山軍の撤退/国掟法の内容/寺社本所側の反応/国人と土民)/国持体制下の南山城(山城「惣国」と月行事/「惣国」による国成敗権の行使/守護権と山城「惣国」/山城「惣国」と細川政元)/解体への道(明応の政変の勃発/山城国衆の敗北/南山城における室町幕府―守護支配の再建)/山城国一揆とは何であったか?(山城国一揆をめぐる研究史/国一揆をめぐる諸論点)/山城国一揆の歴史的性格―エピローグ