歴史文化ライブラリー 282
大名行列を解剖する
江戸の人材派遣
著:根岸 茂夫
紙版
内容紹介
泰平の世、参勤交代の際などにみられる大名行列の中に、「渡り者」と呼ばれる派遣・アルバイトが雇われていた。奉公人となった彼らは、やがて武家の行列を形骸化し、「がさつ」な振る舞いで身分的な格差社会に立ち向かっていく…。平和な時代に武威を示すべく行なわれた“軍事パレード”に鋭くメスを入れ、近世の武家政権の秘められた矛盾を暴き出す。
目次
浮世絵に描かれた大名行列―プロローグ(『大和耕作絵抄』/描かれた奴/乗物と駕籠脇/騎馬の家来と「渡り者」)以下細目略/大名行列はなぜ長い 武家の行列の構造/武家は奉公人に支えられた 近世前期の幕臣と一季居奉公人/江戸にも人材派遣があった 人宿の展開と欠落する奉公人/行列を飾るがさつな供廻り 供廻りの放埓と大名格式の混乱/がさつが止まらない 武家を無視した供廻りと役人の癒着/華美になり消えていく―エピローグ