近世海産物の生産と流通
北方世界からのコンブ・俵物貿易
著:菅原 慶郎
紙版
内容紹介
江戸中後期、長崎貿易で中国人と取引された輸出商品の多くは、北方産のコンブやナマコ、アワビ、ラッコの毛皮などであった。これらをいかに生産・加工し集荷・輸出したのか、その商品的特質のみならず、生産者のアイヌ民族にも着目し流通システムを追究。中でもナマコやアワビ(俵物)をはるかに凌ぐ輸出量だったコンブを重視し、歴史的意義を探る。
目次
序章 江戸幕府の貿易と北方世界/コンブ(松前・「蝦夷地」における長崎向けコンブの集荷〈松前昆布の生産地と生産量/松前昆布の商品分類/輸出商品の出荷〉/「東蝦夷地トカチ場所」におけるコンブの生産〈トカチにおけるコンブ/トカチのコンブ生産/トカチにおける海産物〉/南部藩領における長崎向けコンブの歴史的意義〈南部藩領におけるコンブ・俵物と長崎/南部昆布の生産/南部昆布の集荷/南部昆布の出荷〉以下細目略)/ナマコ・アワビ(松前・「蝦夷地」におけるナマコ・アワビの集荷/「西蝦夷地タカシマ・ヲショロ場所」におけるナマコ・アワビの生産/「西蝦夷地ヨイチ場所」におけるナマコ・アワビの生産)/北方産「俵物」「諸色」の商品的特質と射程(ラッコの毛皮の集荷/俵物・コンブ再考)/終章 江戸幕府の貿易に占める北方世界の歴史的意義