城割の作法
一国一城への道程
著:福田 千鶴
紙版
内容紹介
戦国時代、降参の作法だった城割。自ら象徴的に壊す方法から、天下統一の過程では「二の丸以下の破却」へと大きく変容する。信長・秀吉の破城政策を引き継ぎながら、家康による小田原城・大坂城の破却、福島正則の改易や古城に籠城した島原・天草一揆を経て、「一国一城令」となるまでの城割の実態に鋭く迫る。城郭研究に一石を投じる必読の一冊。
目次
まえがき―平和な城の風景から/城割の作法・習俗(自律的城割と他律的城割/城を壊す―「たたむ(捨む・畳む)」と「わる(破る)」/自焼・没落・自害/付論 天守の機能(籠城戦における最後の拠点/城主の居所/展望台・司令塔/貯蔵庫・倉庫から聖域・宝物館へ/平時における城主の威厳を示す政治装置)/近世初期の城郭政策の展開(はじめに―統一政権と城割/慶長期の城郭普請/城郭の分布―居城・端城・古城)以下細目略/コラム 福岡城に天守閣は存在したか?/徳川の平和と近世的城割/諸国城割令と一国一城/コラム 一国一城の意味/乱世の終焉と城郭―福島正則改易事件の意義/原の城の破却と古城のゆくえ―島原・天草一揆の戦後処理