高松塚古墳と墓室壁画の保存
著:松田真一
紙版
内容紹介
高松塚古墳壁画が劣化した要因は何だったのか?
今後古墳壁画の現地保存の道を拓くためには何が必要なのか。高松塚古墳の半世紀にわたるこれまでの経緯を検証し、周辺地域の墓室壁画の現状を交えて、あらためて墓室壁画の保存と課題を考える。
目次
序(松田真一)
1章 高松塚古墳の発見と調査研究(松田真一)
高松塚古墳の発見/高松塚古墳と陵墓/高松塚古墳の発掘調査の成果と調査研究
2章 国宝の壁画が辿った道(松田真一)
壁画はどのように扱われたか/壁画保存の模索
3章 石槨解体の矛盾と壁画劣化の真相(松田真一)
拙速だった石槨解体/明らかになった壁画劣化の真の原因
4章 東アジアの古墳壁画保存の現状(蘇 哲・東 潮・鴨志田篤二)
中国の古墳壁画の特徴と保存/高句麗の古墳壁画の保護の現状/虎塚古墳の壁画保存
5章 我が国の古墳壁画保存の課題(松田真一・西田輝彦)
もう一つの壁画古墳/国による今後の壁画保存の方針/尽くされなかった現地保存の方策/古墳壁画保存への提言/特別史跡の価値と遺跡保存の理念