序論(吉川真司)
畿内と軍事/畿内と対外交渉・華夷秩序
第1章 畿内と軍事
畿内の兵制(田中晋作)
はじめに/甲冑出土古墳の推移/軍事エリートから軍事構成員へ/おわりに
古代王宮の護り(市 大樹)
衛府の武力/衛府の警備場所/王宮の通行規制
畿内近傍の牧と馬寮の馬(山口英男)
はじめに/牧繋飼馬の理解について/国飼馬/近都牧/馬寮所属の馬/諸制度の特徴をめぐる問題/おわりに
京・畿内の変乱(吉川敏子)
はじめに/壬申の乱/藤原仲麻呂の乱/おわりに
三関の設置―畿内東隣地域と王権―(永田英明)
「三関」とは何か/三関の軍備と「固関」/畿内東隣地域のなかの三関/おわりに
第2章 畿内と対外交渉
中国系渡来文化と畿内(上野祥史)
はじめに/一・二世紀の交渉/三世紀の交渉/四世紀の交渉/五世紀の交渉/六世紀の交渉/中国との交渉と中国文化の故地/物証と体系/おわりに
五・六世紀の渡来人(遠藤慶太)
はじめに―五・六世紀の起点と渡来人―/「才伎」と「博士」/フミヒトたち/配置された渡来人/融合する新旧の渡来人/むすび―フミヒトと外交―
七・八世紀の渡来系移住民(田中史生)
はじめに/律令国家と「帰化人」/倭国の渡来人受容と「帰化人」/渡来系移住民の移配地/おわりに
「京」・難波における外交儀礼(田島 公)
はじめに―未開の王の禁忌と外交儀礼―/倭王権の世界観と五世紀の「京」と「ウチツクニ」における外交儀礼/六世紀の王宮と難波館、相楽館・高楲館、阿斗館における外交儀礼/七世紀の王宮、難波館における外交儀礼/律令国家の京・難波館・山科における外交儀礼―むすびにかえて―
京・難波における国際交易(榎本淳一)
はじめに/天平勝宝四年来日の新羅使と「買新羅物解」/国際交易における人とモノ/国際交易の場と方法/おわりに
第3章 畿内と華夷秩序
つくられた華夷思想(広瀬和雄)
はじめに/「隼人」と大隅の古墳時代/蝦夷と律令国家/イデオロギー政策の華夷思想/おわりに
隼人と服属儀礼(永山修一)
はじめに/隼人の登場と朝貢開始―七世紀まで―/隼人の服属儀礼の変容―八世紀代―/隼人の消滅と畿内隼人―九世紀以降―/おわりに
エミシと畿内の儀礼(河内春人)
はじめに/エミシの誓約/夷狄認識の形成と儀礼/律令制と「蝦夷」/おわりに
コラム
水城・大野城・基肄城、大宰府(小鹿野亮)
石神遺跡と郡山遺跡(村田晃一)