はしがき
序 論 大学生と学術専門書(吉田 文)
1 要請される読書
2 読書が作った身分文化
3 失われた読書文化
4 専門書への挑戦
第Ⅰ部 古典に挑む
第1講 『イリアス』を読もう――講義形式の授業での試み(堀川 宏)
1 大学の授業で『イリアス』を読むこと
2 当該年度の授業デザイン
3 学生たちの学習状況
4 毎回の授業レポートから
5 学期末レポートから
6 おわりに――座談会をやってみて
第2講 デューイ『民主主義と教育』上巻を読んだ――哲学書から現代の教育を考える(吉田 文)
1 2021年新学期3年ゼミ
2 実験の始まり――ジョン・デューイの輪読経過
3 学生は何を学んだのか
4 付記(2023年3月)
第3講 フランケンシュタインとマルサス――一般教育の2つのゼミでの読書(渡邉浩一)
1 学生と一緒に読むこと
2 「身にする読書」――初年次ゼミで新書を読む
3 哲学書にチャレンジ――「学術ゼミ」での取り組み
第Ⅱ部 理論を摑む
第4講 法学部新入生と『なぜ歴史を学ぶのか』を読む――読解力向上の目標設定(八谷 舞)
1 はじめに
2 要約をしてみよう
3 批判できるようになろう
4 ディスカッション・トピックを立ててみよう
5 最終課題
6 おわりに――まとめと展望
第5講 『独裁者のためのハンドブック』『多数決を疑う』をゼミで読んでみた――質の高いディスカッションを目指して(藤田泰昌)
1 なぜ学術的文献を講読するゼミを実施するのか
2 どのようなゼミで学術的文献を読んだのか
3 ゼミの経過
4 何が変わったか
5 おわりに
第6講 自ら考える読書を目指して――『「働くこと」を思考する』を題材に(畔津憲司)
1 読書推奨に対する一抹の不安
2 読書をめぐっての大学生との対話
3 学びとしての読書とは
4 授業の概要と指定書籍
5 授業の進め方と学生の準備
6 授業の実践と経過
7 おわりに
第7講 輪読において討論を活発化させる仕掛けの探求――『ソロモン 消費者行動論』を読む(齋藤朗宏)
1 はじめに
2 カリキュラム
3 ゼミと取り組みの概要
4 取り組みの結果
5 全体のまとめ
第Ⅲ部 社会に臨む
第8講 対話を通して思考の解像度を上げる ――『はじめて学ぶ生命倫理』のグループ講読(標葉靖子)
1 はじめに
2 授業の設計
3 議論の記録――学生はグループ講読にどう取り組んだのか
4 専門書を読むことの意義――学生は自分たちの取り組みをどう振り返ったのか
5 おわりに
第9講 『女性の生きづらさとジェンダー』を読み、対話する――埋もれた声に気付くための方法(荘島幸子)
1 はじめに
2 授業情報
3 輪読の計画および学生に対するオリエンテーション
4 授業の過程
5 教員の学生集団に対する主観的評価
第10講 書評執筆は専門書理解を促進するか――『ルポ 教育困難校』『「つながり格差」が学力格差を生む』を読み込む(濱中淳子)
1 授業の概要――なぜ、書評なのか
2 学生たちはどう取り組んだのか
3 考察
ブックガイド――「大学生の読書」を考える18冊(渡邉浩一)
1 「最近の学生は本を読まない」という言説の歴史――新旧読書調査
2 大学生協の問題提起――「読書指導の時間」
3 「何をいかに読むべきか」――グレートブックス
4 何をいかに読んできたか――読書史
5 大学内外でのさまざまな試み――ビブリオバトル・読書会・ライティング
《鼎談》読むことの楽しさを伝えられたか――講読プロジェクトを終えて(吉田文×濱中淳子×渡邉浩一)
あとがきにかえて
書名索引