監修者のことば
はじめに
第1章 「社会教育」・「生涯学習」とは何か,という問いをめぐって──様々な環境の変化を踏まえてどう考えるのか
1 法律やその背景とのかかわりからみた「社会教育」・「生涯学習」
2 教育や学習のゾンビ・カテゴリーとしての側面
3 ゾンビ・カテゴリーにはならない「社会教育」・「生涯学習」に向けて
コラム 名前や定義は,誰が何のために決めるの?
第2章 生涯学習の理念──生涯教育/生涯学習とはどのような考え方か
1 生涯教育論の提唱と影響──本章の対象の限定
2 生涯教育の提唱──生涯教育/学習論の先駆者たち
3 ユネスコの「学習」論
4 リカレント教育の展開──OECDの動向
5 生涯教育/学習論の理念再考
コラム イヴァン・イリイチ
第3章 社会教育政策の歴史──社会教育は何を目指してきたのか
1 戦前の社会教育政策
2 戦後教育改革と社会教育
3 新自由主義的改革と社会教育
4 社会教育政策の現在
コラム 社会教育政策はどのように形成されるか?
第4章 社会教育・生涯学習の施設と職員──地域に学習拠点があることの意味とは
1 公民館の概要と経緯
2 様々な生涯学習・社会教育の施設と管理運営
3 学習支援者としての職員の役割
4 学習活動の実際──国立市公民館の事例から
コラム 社会教育・生涯学習の施設とICTの活用
第5章 社会教育施設としての博物館・図書館──これまでとこれから
1 博物館ってなに?
2 博物館で見るものと見せるもの
3 図書館ってなに?
4 社会教育施設としての博物館・図書館
コラム 博学連携の取組み──徳島県立鳥居龍蔵記念博物館の歴史文化フォーラム
第6章 人間の「発達」と学習──生きることとの関わりから
1 発達とは何か
2 経験による学習と変容的学習
3 生きることと学ぶこと
コラム 省察的実践を通して新たな実践を生み出していくこと
第7章 子ども・若者と社会教育──子ども・若者の「居場所づくり」を事例として
1 子ども・若者の社会問題の解決策としての「居場所づくり」?
2 地域における子ども・若者の「居場所づくり」──日本の子どもの貧困対策を事例に
3 子ども・若者の「居場所づくり」における学び
コラム 「自己満足」としてのボランティア?
第8章 働く大人の生涯学習・社会教育──働く意味や仕事の意義を見つめ直す
1 生涯キャリアと社会人の学び直し
2 企業内人材育成と仕事を通した学び
3 労働問題と向き合う学び
4 企業の社会的責任と生活・暮らし
コラム ブルシット・ジョブと時間どろぼう
第9章 高齢期と学習──「自分ごと」として考える
1 現代社会における高齢期
2 高齢期におとずれる変化
3 高齢期と学習
コラム イギリスU3A(The University of the Third Age)の活動理念
第10章 地域コミュニティのなかの学校と家庭──誰がための連携・協働か
1 学校・家庭・地域の連携と協働をめぐる経緯
2 社会教育・生涯学習における地域人材の育成
3 地域学校協働活動の事例──「小学校区教育協議会─はぐくみネット─」事業(大阪市)
コラム アニメ『スロウスタート』エンディング主題歌「風の声を聴きながら」ミュージックビデオ(三月のパンタシア)にみる成人教育の意味──純粋な知的好奇心の解放
第11章 「多文化共生」と社会教育・生涯学習──グローバリゼーションの中で変化していく学習
1 グローバリゼーションと教育
2 グローバリゼーションとシティズンシップ
3 「多文化共生」に関する社会教育・生涯学習の課題
4 「多文化共生」と生涯学習
コラム 「多文化共生」社会──『子どもたちの階級闘争──ブロークン・ブリテンの無料託児所から』
第12章 「障害」(ディスアビリティ)からみる社会教育・生涯学習──「障害の社会モデル」と学び
1 「当事者研究」という学びのスタイル──〈わたし〉を知るとは?
2 「障害」理解のリフレクション──障害の個人モデルから社会モデルへ
3 グローバルな知から〈ローカルな知〉へ
コラム 二つのフランス映画(「音のない世界で」/「ヴァンサンへの手紙」)に見るろう者のコミュニティと学び
第13章 ジェンダーと社会教育・生涯学習──「女性の学習」の歩みを考える
1 成人期の学びとジェンダー
2 「女性の学習」とジェンダー
3 法制度とジェンダー
4 学習のための施設とジェンダー
5 ジェンダー,セクシュアリティに立つ社会教育・生涯学習に向けて
コラム それはだれのため,なんのための学びなのか──リスキリングと「女性の学び」
第14章 教育とケア──両者の共通点に注目して
1 教育という営み
2 ケアという営み
3 ケアする人に求められるもの
4 教育とケアに求められること
コラム ケアする人とされる人の距離感
第15章 社会教育・生涯学習における評価と方法──それぞれのあり方を,根本的に問い続けて
1 社会教育・生涯学習における評価──「異世界」ジャンル確立の社会的背景をもとに
2 社会教育・生涯学習における方法
コラム 人間と空間をめぐるデモーニッシュな力──学習成果の活用とその適切な評価をおこなう場の再考
索 引